Vol.688 おしっこを舐めるな!(後編)
【前回のあらすじ】
名古屋駅から品川駅へと向かう満員の新幹線──新横浜駅を通過したあたりから急に猛烈な尿意をもよおしてしまったGジィさんだが、車内は混雑してトイレまでたどり着けず…。しかたなく品川駅で降りてから駅構内にあるトイレへと向かうため、上りエスカレーターに飛び乗ったものの…????
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エスカレーターを登り切ってから…
一目散にトイレへと走る。
「全力疾走!」
…といきたかったのですが、
「膀胱への振動」
…を考慮すれば、それも命取り!?
そこらへんのさじ加減は、じつに
「デリケイト」
…なところであります。
やっとの思いでトイレの前にたどり着くと…
「絶望的な気持ち」
…になってしまいました。なんと!10人以上もの
「おしっこ難民」
…が、行列を成しているのです。
自然と中国拳法でいう
「猫足立ち」
…の、もっと極端な内股のポーズを取っている…。
別にしたからといって、
なんの好影響があるわけでもないのに、
両手で股間を押さえていまう…。
「おしっこを我慢する人」
…をパントマイムで演じるなら、
おそらくもっとも
「定番の振り付け」
…なのでしょう。顔面中が酢ダコみたいに
「真っ赤」
…になって、額からは脂汗がにじんでいます。
足を動かし続けていないと、
「もうダメ!!!」
両膝をくっつけて、それを支点に
「膝から下を
交互に回転させる
要領のタップ」
…を踏む。
「ぱすっぱすっぱすっ…」
…というゴム底スニーカーの足音に気づいてか、
前に並んでいるおじちゃんが、
ぼくに声をかけてきてくれました。
もしかしたら、無意識のうちに
「ふ〜んふ〜ん…」
…と唸っていたのかもしれません。
「にいちゃん…
ガマンできひんのんか?」
「はあ、ち、ちょっと…」
こう返事を絞り出すのが精一杯でした。そしたら!
「すんません!
このにいちゃんが
ガマンできひんみたいやから
誰か先行かしたって
くれまへんか〜?」
…と、そのおじちゃんが大声の関西弁で
「助け船」
…を出してくれたのです!! すると…
次に空いた便器を所有できる順番だったはずの、
30代くらいの背広姿の若者が、
「どうぞ…」
…と、手招きをしながら
Gジィさんに小便器を譲ってくれました。
「あ、ありがとうございます!」
…つま先立ちでそこまで小走りする
ぼくのズボンのチャックはすでに全開で、
「パンツの中で暴れるチンコ」
…を遮二無二まさぐり出す…。
「じょんじょんじょろじょろ
じょんじょろじょ〜〜〜〜〜」
…まさに間一髪!!!
膀胱と大腸との容量の違いなのか、
「臨界点」
…に達してからのパニックぶりは、
「ウンチ」の比じゃありませんでしたよ!
しかも、漏らしたら最後──
「液体」
…なだけにあっという間にズボン中を濡らし、
「誤魔化し」
…も効きません。
年のせいか、ここ数年で
「尿道の締まり」
…もひどく悪くなった気がします。
ぼくは
おしっこを舐めすぎていた!!!!!
…と、そんなお話でした。おわり!