Vol.690 「さかなクン」について
いつもながら唐突すぎて
まことに恐縮であります…が、
もうだいぶ昔のことなんですけど、
一度、とあるビジネス上のつながりから、
「さかなクン」さん
…と、お会いできる機会がありました。
ちなみに、基本ぼくは…このコラムで
著名人を取り扱う場合、
面識が「ある・なし」かかわらず
必ず、なんらかの敬称か肩書きを
固有名詞の後(あと)に
付け加えるようにしています。
(※例:インリン・オブ・ジョイトイさん 藤岡弘、殿 大谷翔平選手 岸田内閣総理大臣)
しかし「さかなクン」をはじめとする
「KABA.ちゃん」だとか、
「フワちゃん」だとか、
「なかやまきんに君」だとか……の、
「すでに敬称が
添えられている芸名」
…を持つ著名人について書くときは、
「敬称を添えるべきか
あえて添えないでおくべきか?」
…(チョッピリではありますがw)
悩んでしまいます。
ただ、ぼくは実の妹すら
「加代」
…と呼び捨てできず、いまだ
「加代ちゃん」
…と呼んでしまうタチの人間ゆえ、
ここはあえて(精神衛生上的にも?)
冒頭でも記したとおり、
あえての「敬称ダブり」を承知で、
「さかなクンさん」
…と表記させていただきます。
話がそれてしまいましたね(笑)?
元に戻しましょう!
で、さかなクンさんとはじめてお会いしたとき、
少年のように眼をキラキラさせながら──
まるで、ここ『アグリーアブル』で
おのれのエロな武勇伝をカウンター席で
嬉々として語る常連さんのごとく、
「魚類」
…のウンチクを
一心不乱に語る真摯な姿を見ていたら…
「ああ、好きなことを
仕事にするとは…
こういうことを言うんだなぁ」
…と、あらためて実感し、ついつい
「憧憬の念」
…すら抱いてしまいました。
Gジィさんだって…
「好きなことばっか
やってて、ストレスゼロ
っぽくてイイですね」
…なんて風なことを
たまーに言われたりしますが、
納期間際なのに
アイデアが煮詰まってしまえば
すべてを投げ出したくなるし、
クライアント様から
激烈なダメ出しが入ると
フツーに落ち込むし…
時おりふと
将来が不安になったりもするし…
それなりに苦労しているんであります!
これが仮に…
業界内でてっぺんを獲って
仕事における自由の幅が
かなりの範囲で許されている…
と、世間的には解釈されてしまいがちな、
たとえば…
ミスターチルドレンさんだとか…
村上春樹さんだとか…
村上隆さんだとか…
井上雅彦さんだとか…
そんな人たちでさえ、
ぼくとはまた(次元の?)違った、
創作上の売れ線と
やりたいこととのズレや
地道な鍛錬や
公人特有の息苦しさといった
悩み…あるいは辛さを
かかえているに違いありません。
対するさかなクンさん!
「大好きなお魚に触れ、
大好きなお魚を学び、
描き、語り…
そして食べること」
(※ちなみに彼は「大好きな魚を食べるなんて行為は言語同断!」みたいなヒトではなく、敬意を持って美味しく食べる…のだそう)
…によって日々の活力を蓄え、発散し、
それがおのずと
「生計を立てる手段」
…となっている。
そりゃあ、ぼくたちにはわからない
「苦しいこと」
…だってあるでしょう。でも、
「好きなことで
食べてるヒト選手権」
…みたいな大会が、もし開催されたなら、
さかなクンさん!
おそらく日本で…いや、世界でも
かなりの上位に
ランキングされるのではないでしょうか???