Vol.88 明日からすぐ使える関西弁講座 - ハプニングバー

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Vol.88 明日からすぐ使える関西弁講座

20代前半までを大阪で過ごし、上京して以降はずっと東京に在住──こてこての関西弁と、よほどの百戦錬磨なキャバ嬢やらフーゾク嬢にしか出身地がバレないほどの流暢な標準語を巧みに使い分けるバイリンガルな関西人であるぼくは、女性に自身の生い立ちを明かすと、

 

「関西弁、めっちゃ好き〜! しゃべってみて〜‼︎」

 

…みたいな懇願を、しばしされます。そして、その関西出身じゃない女性が口にする「めっちゃ」は、関西人のぼくからしたらどこか不自然な響きを含んでいたりもします。

 

「関西弁が本当にモテるのか?」

 

…という問いに対し、

 

「そんなんモテるに決まってるやん!」

 

…などといった楽観的なアンサーを迂闊に返すことはできません。関西弁からただよう独特の“畳みかけるような感じ”に生理的な拒絶感を示すヒトは、少なからず間違いなく実在します。が、今回はあえて「モテる!」と決めつけ、ここ“ハプバー”においても、効果的に関西弁を会話中に差し込めるよう、関西弁講座(初級者編)を開催しましょう。

 

さて。最大手ハンバーガーチェーン店『マクドナルド』の略称が、日本国中大半の地域は「マック」なのに対して、関西はいまだ「マクド」であるという実状は、関西弁の特徴をもっとも如実に表す事例の一つです。

 

ちなみに、2017年に同店で行われた『マックなのか? マクドなのか? おいしさ対決!』キャンペーンによると、「マクド」の呼称を使うのは全11府県。近畿2府4県に加え、三重県と四国地方が該当し、そのうち四国と三重県・滋賀県は「『マクド』と『マック』両方を使う」という結果が発表されました。

 

では、なぜ関西人は頑なまでに「マクド」なのか? その理由は、関西特有の「京阪式アクセント」にある…のだそう。「マック」では、京阪式アクセントの「低高低」を当てはめようとすると、2拍目が「ッ」となってしまい、聞こえない拍となるので、関西地方ではあまり好かれなかったわけです。

 

たしかに『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』の略称である「ユニバ」、『ファミリーマート』の略称である「ファミマ」、それに「バナナ」「お箸(=おはし)」「メンチ(※ひき肉ではなくて睨み合いのほうの)」「かしわ(※京都弁で鶏肉のこと)」「まいど」「なんでやねん」「ほないこか」…なんかも、発音はどれも「↓↑↓」。もちろん、「キモい」「エグい」(関西=↑↓↓/その他の地域=↓↑↓)……ほか、“東西逆転”のケースもなくはないんですけどね…?

 

さらに、三文字や五文字の奇数に省略するのがむずかしい略称、たとえば『セブンイレブン』の略称である「セブイレ」、『ケンタッキー・フライドチキン』の略称である「ケンチキ」(※関西以外では「ケンタ」)とかだったら「↓↓↓↑」と、関西人は語尾にアクセントを持っていく傾向が強い。先述した「むっちゃ」も“エセ”なヒトは「む」を強く発音しますが、“ホンモノ”なヒトは「ち(ゃ)」に渾身の(?)力を込めます。カジュアルに使用する「fool」が、関西では「アホ」(=↓↑)、その他の地域では「バカ」(=↑↓)が主流なのも、こうした背景によるものなのかもしれません。

 

もし、より完ペキな関西弁を“ハプバー”でも駆使したいのなら、とりあえずは

 

「奇数でできた単語は真ん中に、偶数でできた単語は語尾にアクセントをつける」

 

……という基本の基に留意してみてはいかがでしょう?