Vol.166 「錦鯉ブーム」と「おじさんブーム」
朝の情報番組『めざましテレビ』が、1月のマンスリーエンタメプレゼンターとして『M-1グランプリ2021』の覇者となり、只今大ブレイク中のお笑いコンビ『錦鯉』を起用していたのを皆さまはご存知でしょうか?
『M-1』史上最年長の優勝コンビである長谷川雅紀さん(50)と渡辺隆さん(43)はこの年末年始、各局のバラエティ番組から引っ張りだこ状態で、また、2021年大晦日の『NHK紅白歌合戦』では特別企画枠で俳優の松平健さん(68)が『マツケンサンバ!!』を披露したり、2020年から配信されている近藤芳正さん(60)主演のYouTubeドラマ『おやじキャンプ飯』が好調だったり…と、新たな
「おじさんブーム」が到来しているのではないか…との声が、ちまたではチラホラ聞こえつつあり、密やかに胸をときめかせている“ハプバー”大好きなおじさんも少なからず…との噂でもあります。
そんななか、『めざましテレビ』が10〜20代の女性にアンケートを実施したところ、
「おじさんをかわいいと
思ったことがある」
…と答えた人が(130人中)約6割に達したという結果も出ており、同番組に出演していた『錦鯉』の二人は
「時代が来ましたね!」
…とコメント。MCの三宅正治アナ(59)も
「おっさんパワーで頑張りましょう!」
…と大いに盛り上がっておりました。
ところが、これら一連のはしゃぎっぷりに対し、ツイッターでは
「正直おじさんがブームなんじゃなくて、錦鯉がたまたまおじさんだったってだけだよねw」
「錦鯉がブームになっているだけで、世間のおじさんはただのおじさん」
「おじさんブームじゃなくて、錦鯉ブームでいいのでは?」
「トレンドにあがっている“おじさんブーム”とはなんぞや…聞いたことないぞ」
「若い女性の間でおじさんブームとかテレビで流すのやめてほしい。勘違いする奴増えそう」
…ほか、極めて厳しい声が続々と寄せられている…のだそう。
さて。ここまでの経緯(いきさつ)をザッと振り返ってみて…まごうことなき“おじさん”であるぼくもいくつか物申したいことがあるわけですけど、まず「おじさんが若い世代から愛されたい」がために「かわいい」を目指すのは、戦略としてはまったくもって正しい…と思います。もう本ブログでも何度か主張し続けてきたロジックなんですが、
「LEON的な“ちょいワル”系ダンディを
目指しても、上から目線な
単なる都合のいいカモに成り下がるだけ!
中高年男子は年輩だからこそ
“若い世代から真剣になにかを学ぼう”
といった謙虚さを心がけるべき」
…であって、その真摯な姿勢がひいては「かわいさ」へとつながっていく…。
ただ、『錦鯉』がブームになっているからといって安易に「おじさんがモテるようになった」と喜ぶのは、ネット住民の皆さまによるご指摘のとおり、いささか早計、無邪気すぎるのでは…と、私も思います。
“もてはやされている”のは、あくまで「M-1優勝」という明確なる結果を出した“おじさんたち”であって、さしたる結果も出していないおじさんへの評価までもが便乗的に一変するわけもありません。今回のブームからおじさんがもらえたのは、
「自分を信じ、日々を精進すれば、
年齢なんか関係なく
結果を出せることだってある」
…といった勇気だけであって、その実証化こそが今回『錦鯉』が果たした最大の功績なのです。
あと、最後に! 前出したツイッターの文言に
「勘違いする奴増えそう」ってえのがありましたが、仮にも年上である人間のことを「奴」呼ばわりするとは何事か!! せめて「勘違いする人」くらいにとどめておくのが、最低限の礼儀なのではないでしょうか。