Vol.358 ハプバーでのトークをも円滑にする「ヤッホーの法則」
「エグゼクティブ・スピーチコーチ」「コミュニケーション・ストラテジスト」といった耳慣れない肩書きを持つ、とある女性が、ご自身の著書で、なかなか為になりそうなコミュニケーション術を
披露なされておりました。
コロナ禍によって、「出社よりもリモートへ」「会議はオンラインで」といった流れが加速しています。今後もその流れは変わらないでしょう。
物理的な距離のある時代だからこそ、人と人との心の距離を縮め、つながりをつくる「コミュニケーション」の重要性が、ますます高まっています。
…と前置しつつ、これまでの経験知を掛け合わせて編み出した
「最強の話し方」
…の全メソッドを、「50のルール」に分けてキャッチーに伝授する内容です。
まず、Gジィさん猛烈に共感したのが
『5つの方法で、13文字程度に「たたむ」』
…というくだり。かいつまめば、
「もっとも訴えたい結論やメッセージを、雑誌や新聞の記事にタイトルや見出しをつけるように、インパクトのある強い一言に凝縮する訓練をしてみましょう」
…ってことであります。
ちなみに、新聞の見出しは1行9〜11文字で、2行だと合わせて20文字程度なのですが、ここはたとえば日本最大級のポータルサイト『Yahoo!ニュース』の見出しに合わせて、
13文字以内に絞り込む。その際に意識すべきなのは、
次の5つなのだそう。
・たとえ(ありきたりではなく、意外なものに例える)【例】コミュ力は筋肉の如く鍛える
・数字(具体的な数字を入れる)【例】コミュ力の必勝方程式7選
・ベネフィット(「相手にとって得すること」がわかる言葉を入れる)【例】コミュ力で生涯年収が2倍に
・チカラのある言葉(「最強」「世界一」「神○○」などの強い言葉を掛け合わせる)【例】史上最強のコミュ力
・「?→!」(最初は「えっ?」と思わせて、あとで「なるほど!」と思わせる、謎めいたもしくは扇情的な言葉を入れる)【例】コミュ力はのび太に学べ!
たしかに、どれか一つを念頭に置いただけでも、ずいぶんやりやすくなります。同時に、3つの「伝えたいこと」を一つにまでシェイプする能力を身につけるためにも、最適な「訓練」だと言えましょう。
『「ヤッホーの法則」で
自分の「殻」を破ることができる』
…とのくだりは、
まさにぼくの着眼を超えた「法則」で、とくに
「男は黙って以心伝心」
…的な道を数十年歩き続けてきたおじさんに抜群の効果が見込めるらしい。しかも簡単に実践もできる。
・とりあえずは、「山登りをして、山頂に着いた」という想定で、「ヤッホー」と3回、叫んでみる。
・1回目は「ド」、2回目は「ミ」、3回目は「ソ」の音程で。音程の正確さにこだわる必要はないが、段階的に上げていく。それとともに声量もあげていく。
・3回目の「ヤッホー」の直後、その音程と声量を保ったまま、プレゼンなどの公の場で話す第一声を発してみる。
ルーティンとすることによって、声のエネルギーとテンションをすぐアップできるクセがつき、これだけでアナタの印象は劇的に変わるのだとか…。ホンの数妙だけで済む努力なので、一度試してみる価値もあるのではないでしょうか?
あと、複数参加のリモート会議で全員の視線が自分に
集中するなか、
「どこを見たらいいの?」
…と迷って、つい目が泳いでしまう…なんて経験は、Gジィさんにだって何度もあります。そんなとき、役に立つのが
『たったひとつだけ変えるなら
間違いなく「アイコンタクト」』
…というくだり。
どうやら欧米人に比べてアイコンタクトの頻度が低い日本人のソレは、大きくは
・全員をなめるように見渡す「灯台」方式
・全員を複数のブロックに分け、順番にその「かたまり」に目を向ける「ロボット」方式
・ほとんどの時間、スライドを見て話し、聴衆にはお尻しか見えない「見返り美人」方式
・「メトロノーム」のように、右→左と順番に目線を振り向ける「テニスの観客」方式
・ずっと下を見て手元の資料を読み上げ、たまに顔を上げる「モグラ叩き」方式
……の5つに分類され、その全部が前出の著者さんによると、じつのところ「間違い」! では、どうすれば? 正解は
「キャッチボール」方式
複数の相手と順番にキャッチボールをしていうよう、ひとり一人と確実にしっかりと目線を合わせればいいわけです。これは、ぼくも応用的によく使うテクニックで、たとえばここ『アグリーアブル』のカウンター席において、
男性一人で女性3人を口説く
…としましょう。(※まあ、あまりないケースではあるのですがw)
はじめは、その男性は初対面の女性全員を「灯台」方式で見渡し、目線が定まらない。でも、じっと強い目力でひたすら相手の眼を見つめ続けていれば、必ずその女性の目線は他の女性から
ぼくだけに集中するようになります。こうなったらもう勝ちも同然で、場のイニシアチブを握ることができる。もし、相手の眼を見つめ続けるのが気恥ずかしいなら、ちょっと下にある鼻を
見つめればOK。とにかく
「この人はアタシと話をしている」
…と相手に思わせることが重要なのです。
最後に。トヨタ自動車の社長・豊田章男さんが、ちょっと前まで流れていた『トヨタイムズ』のCMで見せる
「両手を広げて熱弁中、重心は右脚に乗せて、左脚はピンと伸びて、踵をつけてつま先が鋭角状に上を向いている」
…という独特なスタンディングポーズが面白すぎる…と常々ぼくは感じていたのですが、アレも選出の著者さんの言(げん)によれば、
「臆することなく、大きな身振りと笑顔で聴衆を楽しませようとするため、捨て身の“道化”を演じることも厭わない」
…という意味で、相当に高度なテクニックであるようです。
以上、どれもここ“ハプバー”で使えるワザばかり! ゼヒともさっそくチャレンジしてみてください(^^)/
ただし、
「ヤッホー!」
…と叫ぶのは、“ハプバー”内だと奇人にしか見えませんので、入る前に夜の新宿の高層ビル街あたりでやりましょう(笑)。