Vol.436 イマドキの若い「倍速世代」とハプバーは意外とマッチしている説について
だいぶ前の話ですが、
「若者を中心に
動画を早送りして
視聴するヒトが
年々増えつつある」
…みたいなことを、朝の某情報バラエティ番組が特集を組んで報じておりました。番組中で紹介された、リサーチ会社による
アンケート調査によると、
「動画を倍速で
観た経験があるか?」
…という質問に対し、「ある」と答えた20代男女は、じつに約半数の49.1%! そして
「倍速で観たいと思う動画」
…の1位は、なんと!
「ドラマ」
…だったと言います。
ぼくも動画を早送りで視聴することは、たまにあります。録画しておいたニュースだとか、(このコラムのネタとして)観ておいたほうが良さげなドラマだとかYouTube作品だとか…が、おもなジャンルだったりします。
とは言え、2倍速だとさすがになにをしゃべっているのかが理解できないケースも多いので、せいぜい早送りの速度は
1.25〜1.5倍速くらい?
ちなみに、ぼくはもう30年以上も前、
「アダルトビデオのレビュー執筆」のアルバイトを2年くらいしておりました。
媒体は『さく○んぼ通信』という月刊のAV専門誌──作品ごとに300ワード程度のあらすじや寸評を述べ、さらには
「勃起度」をA〜Eの5段階評価に振り分ける…。
月に一度、二重にした(なぜか)フォアローゼスのロゴが入った紙袋のなかにごっそり入った30本ほどのアダルトビデオを手渡され、それらを中一日ですべて鑑賞し、原稿もアップしなければならない、なかなかにハードな仕事でありました。最初は、
「タダでAVが
見放題なんて超ラッキー!」
…と、下心満々の軽い気持ちで引き受けたんですけど(笑)、たった
一本を観終わってヌキ終わっただけで、たちまちその作業は
苦行となり、次第に
「性交の部分は早送りにして、
ストーリーや女優のインタビュー部分
のみをノーマルな速度で鑑賞する」
…という、通常の男子とは逆の使い方をしていたものです。
半年も経てば
「左手でリモコンを
操作しながら
右手で原稿を書く」
…といった離れ技も習得できました。
そういう意味で、Gジィさんは
「動画を倍速で鑑賞する若者たち」
…の先駆け的な存在だったわけです(笑)。
で、同番組に出演していた某コメンテーターが、昨今では当たり前となりつつあるそうな「倍速鑑賞」について、こんなコメントしていました。
「観ないね、倍速とかで。映画にかぎって言えば、ないです。だって作る側からすると倍速速度で伝わるんだったら倍速の速度で演技させているじゃないですか、監督は。作っている側はこれが一番伝わると思っているスピードでしゃべっているし、間をもうけている」
たしかにごもっともな意見だとは思います。
が、今の若者たちの周囲には我々世代が若かったころよりも、
数倍数十倍もの情報が氾濫しているのもまた事実──そのような時代の流れに乗じて、今の若者たちの情報処理速度もおのずと
チューンアップされ、早送りした動画を「常態」と見なせる能力をも身につけているのではないでしょうか。切羽詰まった状況下において、ぼくが早送りしたアダルトビデオでもきちんと欲情できていたように…?
話は「動画」から少々それますが、たとえば我々世代が解読するのに
一苦労なLINEやTwitterでの
「句読点が皆無な
誤字脱字だらけの文章」
…も、今の若者たちのあいだでは難なくやりとりが行われています。これも情報処理速度の観点からすれば、一つの進化…なのかもしれません。
さて! 客観的な視点から分析して、昨今は
「とくに20〜30代の
若い世代を中心として、
“ハプバー”が再流行している」
…兆しが見て取れます。
そして、ここ“ハプバー”もまた、
「出会いからディープな関係へと
到るプロセスが倍速されたシステム」
…だと解釈できるのではないでしょうか?
だからこそ「とくに20〜30代の若い世代を中心」として、この
“ハプバー”が支持されはじめてきている…のかもしれませんね?