Vol.547 【Gジィさんの夢日記(5)】修学旅行
修学旅行に
行っている夢
…を見た。
先生として行っているのか、生徒としてなのか、
それはわからない。
SKE48の松井玲奈と高柳明音が
セーラー服姿で登場し、
「もうすぐ
バス出ちゃいますよー!」
と、ぼくに向かって敬語を使っていたので、
たぶん先生として引率でもしているのだろう。
そして、ぼくは鹿に乗っている。
バンビくらいのあまり大きくない鹿で、
頭から生えている二本のツノを
手綱代わりに握っている。
鹿がいるだけに、
ここはもしかして奈良かもしれないが、
違うかもしれない。特定はできない。
ぼくは鹿に乗りながら、とても焦っている。
さっき、玲奈と高柳が言ったとおり、
もうすぐバスが出てしまうのだ。
バンビみたいな、
奈良の東大寺前に放し飼いされているような
小鹿なので、
成人のぼくを乗せての歩みは、
当然、のろい。
しかし、跳躍力はなかなかのもので、
ときどき、ほんの一瞬はあるけれど、
ふわっと宙に浮いた気分になる。
鹿は走りながらぼくのほうを、
エメラルドグリーンのつぶらな目で
見つめてくる。
関節の方向としてはあり得ないのだが、
とにかく、じっと見つめ続けている。
そんな鹿の表情があどけなくて切なくて…
だから、ぼくはさっきから鹿に向かって
「もっと速く走ってくれよ!」
と言えないままだ。
やっとの思いでバスが停まっていた
パーキングエリアに、たどり着く。
バスはいない。
「混んできたので、
もうひとつの駐車場に
移動してもらいましたよ」
小松政夫に似た案内係のおばさんが
そう教えてくれた。
「そんな!
勝手に移動されても…」
内心でこう泣き言をつぶやきながらも、
「ハイドォー!」
と、鹿を180度反転させ、
案内されたもうひとつのパーキングエリアへと向かう。
バスが出る時間まで、あと数分もないのだ。
道幅が10m近くある、
山の中腹に栄えた風の温泉街が
眼前に広がってくる。
焦ってて焦っててしょうがないのに、
ぼくは何故か、
そこに並んでいるお土産屋さんに立ち寄って、
鹿に跨がりながら、だんごを百円で買っていた。
みたらしだんごのような
とろりとした醤油だれが塗してあり、
でも、みたらしだんごよりは全然大きい、
テニスボールくらいのだんごが二つ、
串に刺さっている。
そのひとつを頬張り、もうひとつを鹿に食わせてやる。
鹿は、エメラルドグリーンのつぶらな目で
口をもぐもぐさせながら、ぼくに
「美味しいね」
と語りかけてくるかのようだ。
だが、腹ごしらえをしたところで
歩みはいっこうに速まるわけでもなく、
ふわりふわりと…
ようやく、もうひとつのパーキングエリアにたどり着く。
バスはいない。
腕時計を見ると、4時17分を指していた。
集合時間が何時だったかは定かではないが、
すでに、大幅にその時刻を過ぎていた…
感じだけは、ひしひしと伝わってくる。
置いてきぼりだ。
自分で乗り合いバスやら電車やらを
乗り継いで、帰るしかないのだろうか。
ポケットをまさぐってみるが、
所持金は三千円だけしかない。
けっこうやばい状況。かもしれない。
鹿に乗って帰るしか、方法が思いつかない。
「お前、三千円で
東京まで走れるか?」
そんな無茶な独り言をささやきながら、
鹿の前にくちゃくちゃの千円札を三枚差し出すと、
鹿は、エメラルドグリーンのつぶらな目で
きれいに残らず、もぐもぐ食べた
…ところで目が覚めた。
動物に乗ったりして
虐待するのはやめましょう!
(※本原稿は、昨日Gジィさんが見た夢を極力忠実に再現することを旨としておりますので、現実の世界とは相当に乖離した形而上的な箇所が多々含まれています。そこらへんはどうかご容赦ください)