Vol.561 注文の多い風俗店 - ハプニングバー

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ColumnGジィさんの独り言
 

Vol.561 注文の多い風俗店

一昔…いや、二昔ほど前には

歌舞伎町やら渋谷の路地街あたりにも、いわゆる

 

「ぼったくり系風俗店」

 

…が、けっこうな割合点在しておりました。

 

自分のことを「中年(層)」と呼ぶのもイマイチ

憚(はばか)られる年齢に差し掛かったころを境に、めっきり

 

「スリリング」

 

…という感覚をアグレッシブに追い求めるような行為から、

おのれを遠ざけてきたせいか、

今でもその手のお店がどのくらい生き残っているのか…は、正直よくわかりません。

 

一説によると、「ぼったくり」自体はまだ完全消滅していないものの…年々厳しさを増す当局の目を避けるため、

そのヤリ口額面

 

「マイルドかつ巧妙化」

 

…しつつある…とも聞きます。

 

しかし! 少なくとも15年前くらいでしょうか(※当時ぼくは

ガラケーを使用していた記憶があるので)──

こんなにもダイナミック

「ぼったくり」に出会(でくわ)した経験があります。

まあ聞いてくださいm(__)m!!

 

「神経質にも

度が過ぎる…」

 

そのお店に入ってもう5分後に、ぼくは早くも辟易した。

 

「そのお店」とは…

渋谷の道玄坂を奥にすすんだ

雑居ビルの2階にある風俗店だった。

 

一応「個室有り」をうたってはいたが、シンプルなソファベッドのまわりを薄いカーテンで仕切ってあるだけの、どう見ても

 

「ピンサロ」

 

…にしか見えない、そんな粗末テキトーな店である。

 

「個室とは呼べない個室」

 

…に案内され、まもなくぼくについた女性は、

 

「隠し撮りとか恐いんでー

ケータイ預からして

もらってイイですかー?」

 

と、まずぼくの携帯電話を取り上げ、

彼女はいったん退出する。

 

「あとから必ず

返しますんでー!」

 

ふ〜〜〜ん…あとから「返してくれる」んだ…。

 

「電話するための

機械にカメラ

なんか付けるから

いろんな問題が

起きるんだよな…」

 

…と、最初に出された注文になんの疑問も抱かず、社会批判までしてしまう(当時の)ぼくは、まだ脳天気だった。

 

見渡したところ、ほかに客はいない。多少の大声はかき消され

そうな大音量のユーロビートが店内に流れている。

 

「じゃあ

服脱いでもらって

イイですかー?」

 

えらく性急だ。

 

「もう少し

会話とかを

楽しんでも

よいのでは…?」

 

とは思ったものの、裸でも会話を楽しむことはできるので、ここは素直に従い、ソファベッドに座っているぼくは、

Tシャツを脱いで彼女に手渡し、ジーンズをずらす。

 

「ズボンずらすだけ

じゃなくってー

キチンと脱いで

もらってイイですかー?」

 

はあ〜〜〜〜〜〜っ!?

 

「脱ぎ方まで

いちいち指図される

筋合いはない!」

 

…と、内心さすがにムッとする。

「キチンと〜」の意味がわからない。

あと、靴とジーンズを自分の体から離してしまうのが、

直感的に恐かった。

 

「ボクって…

半ずらし状態のほうが

燃えるんですよー」

 

と、とっさに弁明するが、彼女はなかなかゆずらない。

 

「決まりなんでー!」

 

こう繰り返すばかりだ。

 

「半ずらしのほうが

燃えるんですよー!」

 

ぼくも負けずに繰り返す

 

「じゃあ、

せめて靴は

脱いでくださいねー!

ココ土足厳禁なんでー!!」

 

ようやく折れた彼女が捨てゼリフのような口調でつけ加える。

 

「神経質にも

ほどがある…」

 

いつの間にかBGMの音量が増したと感じるのは気のせいだろうか?

 

「お金ないか………………………………………んでー、サイフの………………………ってもいいですかー?」

 

あまりにうるさくて、彼女の声がよく聞き取れなかったぼくは、思わず

 

「はあ?」

 

…と叫びながら、右耳のうしろにパアのかたちにした手のひら

当てて、聞き直す。

 

今度はゆっくりと、彼女が言い直す。声のトーンは変わらないが、

読唇術の心得がない者でも内容がわかるくらいには

はっきりした口調だ。

 

「お金ないからって

逃げちゃうお客さんも

いるんでー!

サイフの中身確認

させてもらっても

イイですかー?」

 

基本料金はすでに受付で払っている。

 

「ちょっと、おかしいのでは…?」

 

内心不安がよぎりつつも、

 

「もしかすると…

ホンバンとかの

スペシャルサービスが

あるんじゃないか?」

 

と、よぎった不安をそのときのぼくは、希望的観測

すがりながら必死で打ち消してもいる。

 

しかし、ソファベッドのわきからパウチ加工された

メニューを差し出され、ぼくの期待した

 

「性善説」

 

は、いともあっさり吹っ飛んだ

 

オッパイ 3000円
乳首   5000円
キス   5000円
太もも  2000円
アソコ  10000円
手コキ  15000円
フェラ  時価

 

なんてこたあない。ただの(?)ぼったくりだ。

 

バックを抱いてパンツとジーンズをはき

店の外へとぼくは一目散に走り出す。

Tシャツ携帯電話はあきらめた。

 

「裸足と上半身裸の状態」

 

…で、コンビニを探し、Tシャツとスリッパを購入し、

ほっと一息をつく。そして、

 

「なんで

乳首とキスが

同じ値段なんだ!」

 

「時価って

日本語おかしい

じゃねえかよ!!」

 

…と、心のなかで突っ込みながら、

 

「新しいケータイ買うのと

ぼったくられるの…

どっちが安上がり

だったろうか?」

 

とも暗算しているのであった。

 

以上、こんな露骨な「ぼったくり」の手口が

堂々と横行していたあのころは…

ある意味牧歌的でのどかな時代だった

…のかもしれません。

 

地方に行けば、まだそういった「スリリング」

リアルに堪能できるような気も

しなくはないですけど…ね(笑)???

 

ちなみに、念のため! ここ『アグリーアブル』は…

 

「ぼったくり」

 

…のたぐいは一切ない明朗会計なので、ご安心あれ(^^)/