Vol.655 平泳ぎの女
“ハプバー”にかぎった話ではなく、
「このヒトとだけは
絶対に別れたくない!」
…と、切実に感じた瞬間が、
親愛なる『アグリーアブル』ファンの
皆さまにはありませんか?
無論、「このヒト」とは、
性別・男であるGジィさんからすれば
女性のことであり、「別れ」とは、
死別であったり仕事の事情であったり、
なんらかの諍(いさか)いの結末であったり、
考えられるケースはいろいろです。
そして、その切なさは、
おのおのによってまちまちの心象風景をきっかけに、
ある日突然、日常の思考の隙間に入り込む──
Gジィさんの場合は、ズバリ!
「平泳ぎ」
…であります。
人生の幾分かの時間を共にしている女性が、
とあるスポーツクラブだか、
シティホテルだかのプールで、
独り黙々と平泳ぎで泳いでいる…。
顔を水面から上げたままの
「軽い平泳ぎ」
…ではなく、
二回の手足の動作ごとに
正確な息継ぎをする
「ちゃんとした平泳ぎ」
…です。とはいえ、
部活やスイミングスクールなどで
体系的な訓練を受けたほどに、
こなれたものでもない…。
たまたまプールにやって来たけど、
クロールやバタフライや背泳ぎが
できるほどの技術はなく、
…だから、ただなんとなく消去法的に
「平泳ぎをチョイスした」
…といったレベルのものです。
「ゴーグル」
…は着けていないから、目はずっと閉じたままで、
「こなれてもいない」から、
息継ぎをするごとの口の表情が、
まるで誰かの粗相を罵っているかのようにも
男性器をただただ貪欲に欲しているか
のようにも見え、
その官能的な唇が、
ぼくの脳内でエロティックに悲しく…
フラッシュバックを繰り返す…。
やがて、筋肉の疲れと呼吸の乱れから彼女の
「平泳ぎのフォーム」
…は、躍動感を失い、まるで
「犬かき」
…のごとく、小刻みな動きへと変わっていく。
それでも、彼女はまだ泳ぐことをやめようとしない。
ほとんどと言ってよいほど縮まらない
プールのゴールとの距離を埋めるため、
延々と延々と…泳ぎ続けるのです。
さて! もし貴男に…
「この女性が
自分にとって本当に
大切かどうか?」
…を判断しかねているヒトがいるならば──
恥じらいも忘れ、必死に大股を開きながら
「平泳ぎをしている彼女」
…をイメージしてみることで、
なにか一つの答えが導き出せる
…かもしれません。
もちろん、ここ“ハプバー”においても…
まったくもって同様であります?????
以上、今日はなに一つ学びめいたことはないけど、
なんとなく心に沁みるっぽく感じなくもない…
出鱈目(デタラメ)な散文詩でありましたm(__)m