Vol.705 「東スポの歴史」(前編)
「東スポ」
(※関西だと「大スポ」)
…の見出しが昔と比べてつまらなくなっている…
とは、よく言われます。
オブラートに包んだ表現をすれば
「ヒネリがなくなっている」
──ここ最近の東スポ(紙版)の一面見出しを
ざっと眺めてみても…たしかに、
「競馬情報」
…ばっかりで、たま〜に、
「イタリアに出現していた
大学生宇宙人」
(※2024年6月24日発売)
…など、「怪しい都市伝説系」が
散見されるものの…かろうじて
「大学生」+「宇宙人」
…という組み合わせは、
チョットだけ面白くはあるものの…
「ヒネリ度」
…の面からすれば…
昔と比べて、かなり劣化している…
と、言わざるを得ません。
Web版(東スポWEB)の見出しに至っては、
その「劣化ぶり」は、より顕著であり…
『石野卓球「ロボット歩きで
選挙に出かけると
どうなりますか?」を検証』
『ひろゆき氏「どれかが
起きなければ日本沈没」
挙げた5例に「無理ゲーじゃん」の声』
『安藤サクラ 義弟・柄本時生から
送られた神妙な文面のメールに
大勘違い「はずかし!!」』
…など、ピックアップする
人物やワードこそ一癖二癖は
あるものの…
かつての東スポ(見出し)に
は必ずフレイバーされていた
「秀逸なまでに
確信犯的な肩すかし感」
──「どうせまた飛ばし記事だろ」と
わかっちゃいるのに、つい(本文まで)
読んでしまう文学性(?)は…
見る影もありません。
まあ、Web記事の見出しは、
「ストレートでわかりやすい」
…とどのつまりが、
「内容を
かなりの部分まで
予測できること」
…が、非常に重要であり、
そういう意味では、『東スポWEB』の見出しは
「わりと
健闘している
ほうの部類?」
…だとも解釈できるわけですが、
東スポのオールドファンは、
「東スポには、その手の
優秀さを求めていない!」
…フシがあるのが、ややこしいところであります。
東スポ(の見出し)は
本当につまらなくなったのか?
ここに一冊の書籍があります。1991年──
イコールもう30年以上も前に、
扶桑社から発行された
東スポの分析本で、タイトルは、
『東スポ伝説』
──サブキャッチで、
「一面見出し、そこは一行の劇場だ」
…と括り、
「東スポの見出しが
いかに素晴らしいか」
…を、短い文章で惜しみなく賞賛する内容です。
掲載されている見出しを拾ってみたら、
「マイケル(ジャクソン)、
異常行動妹と
セックスできていいな」
(※↑()内はGジィさんによる追記)
(※Gジィさん註:一見、マイケルジャクソンに近親相姦の気が
あるように思われるが、マイケルの妹・ジャネットの夫に孤独なマイケルが「セックスの相手がいてうらやましいな」と言っている
だけ、という内容)
「フセイン、米軍にインキン大作戦」
(※Gジィさん註:第一次湾岸戦争以前の記事。単にフセインが
夏場まで開戦を引きのばそうとしているのでは、といった東スポ側の予測記事。そうなれば暑さによる蒸れによって、米軍兵士の間でインキンが大流行して意外と苦戦する…のでは、という内容。
フセ “イン” と “イン” キンで微妙に韻も踏んでいる?)
…モロモロ、思わず購入して
熟読してみたくなるような
「名(迷)コピー」
…が目白押し…なんであります。
そして、それから約10年の時を経て…
次は、2012年1月25日発売の
東スポ一面が…!?
(※後編に続く)