Vol.48 男の脱毛について(前編)
最近、男性専用の美容クリニックが日に日に増えているようです。アピールポイントはもちろん、売り上げのほぼ大半を占める「脱毛」で、
「もはや男の脱毛は当たり前の時代」
「デキる男は脱毛にも積極的」(ホリエモンさんもつるつる!)
「脱毛は就活にも有利」
「脱毛していない男はモテないぞ」
…などなどのキャッチコピーが、ネット上でも派手派手しく飛び交っています。
50代半ばごろまではヒゲやムダ毛にはとんと無頓着だったぼくも、じわじわと洗脳され始めてきたフシがなくもありません。そっか、ぼーぼーはモテないのか…。
知り合いのクリニックから、無料で脱毛施術を受けられる「モニター」のお話をいただいたこともあります。けれど、ぼくはこうしたオイシイお誘いをこれまで頑なに拒んできたわけです。理由はシンプルで「痛いのは絶対に嫌だから!」、それに「何度も通院するのが面倒臭いから…」。あと、「ムダ毛は男の生命力」という医学的根拠のまったくない自説に囚われ、“処理”してしまえば最後、精力や免疫力を一気に失ってしまうのではないか…なんて不安もちょっとだけありました。だがしかし! そんな中年、いや初老のぼくに「今さらの脱毛」を決意させた、とある“きっかけ”があったのです。
どちらかといえばヤワラカ系の職に就いているためヒゲに対する制限を受けない、あと胸毛も総計13本しかないぼくにとって、一番悩みのタネとなっているムダ毛はズバリ!「腕毛」! 前腕部分だけの毛が濃い…というよりは、とにかく長いんですよ(なぜか上腕には一本も生えていない)。
「一緒に新幹線に乗って、となりの席になったら、いつもふぁさっとした感触があって、ゾゾッとするんだけどぉ~」
…みたいなクレームをつけられたことも複数あります。
分母がどれくらいの規模なのかは定かじゃありませんが、某男性専用美容クリニックの統計によると「女子大生のじつに8割以上がヒゲとムダ毛はNG」なんだそう──このようなバッドな情報を耳にし、ここ数か月間で懇意になった20代後半の女子・Nちゃんに、ぼくの腕毛について忌憚ない意見を聞かせてもらったら…?
「そりゃあ、あるよりはないにこしたことはないよね…」
…と、控えめなダメ出しが! とくに、料理と“セット”になったら生理的に受け入れられないんですって!?(※冒頭写真参照)
続けて「やっぱ、脱毛とかしたほうがいいのかな…?」と(わりと真剣に)漏らしたところ、
「じゃあ、アタシがやってあげるよ!」
…ってことで、みるみるうちに話がまとまってしまい…そんなこんなで「還暦間際にする初めての脱毛」が実現したのでありました。
(※後編へ続く)