Vol.82 ハプバーとサウナ(後編)
さて。今、ぼくの眼前には一冊の単行本があります。タイトルは
『自律神経の名医が教える!〜サウナのトリセツ〜』(著者:小林弘幸 Gakken/1540円・税込)。
オビにはカンニング竹山さんの推薦文、それに
「体と心が本当に“ととのう”医学的に正しいサウナの入り方!」
…とのキャッチコピーが。順天堂大学医学部教授の肩書を持つ小林弘幸先生曰く、「健康とは(極論)血流がよいこと」であり、
「サウナはその“よい血流”を促すための、血管の筋トレだ」
…と断言なされています。そして「サウナで血管の筋トレをすること」による、さまざまな“健康”への波及についての医学的論拠が、著書内では懇切丁寧に記述されています。
けれど、サウナに「恍惚」「トランス」「快楽」を求めるぼくとしては「サウナが健康によい」──もっと正確なニュアンスに置き換えれば、
「サウナは決して体に悪くはない」
…と“安心”できる根拠を専門分野の見地から裏付けていただいただけで、もう十分なのです。
あと、根が貧乏性(笑)なぼくゆえ、「ぼーっとしているしかないサウナ室で行えるストレッチ」を紹介してくださっている項は、とてもありがたかったですね。ぼくと似たようなキャリアの途中で彷徨う“初心者サウナー”にこそ、ぜひ手に取っていただきたい「やさしいサウナの参考書」であります。
ところで、前編では
ハプバーでひと汗かいて、思う存分マインドも開放させてから、サウナでもうひと汗かきながらマインドを「ととのえる」
…のが黄金のフルコースだと書きましたが、では、逆に「サウナに寄ってからハプバーに行く」といったコースはどうなんでしょう?
コレ、ぼくとしては個人的にはあまりオススメできません。なぜなら、サウナで自律神経が「ととのい」すぎて、性欲までもが減退してしまう危険性があり、
「ハプバー? もういいや…」
ってことにもなりかねないからです。
一度、(ぼくがサウナに覚醒したのちに)お酒を飲んだ勢いでなんとなくお持ち帰りできそうだった女性と、アルコールを抜くため一緒にサウナに立ち寄ったことがあるのですが、おたがいが完ペキに「ととのいすぎた」せいか、ラブホに入ってから二人でチェックアウトタイムぎりぎりまで爆睡し、事に至らずサヨナラしてしまったという苦い経験があります。
もちろん(?)、その彼女とは以降プラトニックな関係が続いており、やはり
男女が肉体を交えるには、その場の勢いとタイミングが重要!
…ってことなのでありました。
※高血圧など生活習慣病のある方は、サウナを利用する前に必ず医師にご相談ください。