Vol.103 「料理が得意!」と自慢する前に…
さすがに“ハプバー”の店内で料理をする機会はないでしょうが(笑)、「料理」に関する話題は誰でも比較的食いつきやすいテッパンのネタだと言えましょう。
とある恋愛系ネットメディアが
『「こいつ料理ヘタそう…」と思われる
自称・得意メニュー9パターン』
…なるタイトルの記事を配信しておりました。
本記事は一応、女性に対して
「『料理が得意』と申告しても、
◯◯を『得意メニュー』として挙げたら、
その腕前を怪しまれますよ」
…と警鐘を鳴らすことを旨としていますが、コレ…男性の「料理自慢」にもガッツリそのまま当てはまる内容ゆえ、
「ぼく自身への警鐘」とも捉え、大いに参考にさせていただきました。とりあえずは、その「得意メニュー9パターン」ってヤツを、以下に紹介しておきましょう。
【1】基本中の基本ですから「みそ汁」
【2】むしろマズく作るのが難しい「カレー」
【3】茹でて市販のソースをかければいいだけの「パスタ」
【4】ほとんど下ごしらえだけで済みそうな「鍋料理」
【5】冷蔵庫にはこれしかなさそうな「卵料理」
【6】洋風だからってダマされないぞ「グラタン」
【7】男なら誰でも喜ぶと勘違いしていそうな「肉じゃが」
【8】そもそもあんまり興味がない「クッキー」
【9】それ料理の腕じゃなくて食材のおかげ!「ローストビーフ」
ぼくも50歳を越えてから料理をする機会が増え、このたびのコロナ騒動で、おのずと自炊率のアップにますます拍車がかかるいっぽうだったりします。
そして、毎日料理をつくっていたら、
「本当に料理が得意なヒトとは、
どんなヒトのことを言うんだろう?」
……みたいなことを、わりと真剣に考えるようになりました。
ぼくの持論として「本当に料理が得意なヒト」とは、
「冷蔵庫にストックされた食材を余らせずにローテーションしながら、
バラエティに富んだメニューを手際良くつくることができるヒト」
…のことで、
「味覚の鋭敏さ云々よりは、むしろ数学的な才能を要するのではないか?」
…と思うんです。したがって(あくまで家庭料理の範囲内において)「料理が得意なヒト」は「得意料理」(といった概念)がないわけで、切実に「料理が得意」と相手へとアピールしたいのならば、「得意料理は?」と問われたとき、
「とくに…」
……と答えるのが正解なのかもしれません。ぼくはまだとてもじゃないが「料理が得意」と吹聴できるほどの領域には達していないので、料理について尋ねられた際は、
「料理はできます」
「料理は好きです」
…くらいの控えめな答えにとどめています。その腕前は結局のところ、自慢したい相手の眼前で、実戦をもって示すしかないのです。ただ、たとえば丸ごと一匹の魚をちゃんと三枚におろしてさばけるヒトは、確実に「料理が上手い!」と感心しちゃいます。
…と、そんなわけで本気で「料理が得意!」と自慢したいなら
「鯖の味噌煮」だとか「イサキのなめろう」
だとか「アクアパッツア」だとかの“魚寄り”のメニューを羅列するのがベターなのではないでしょうか?