Vol.108 「質問攻め=聞き上手」とはかぎらない?
フリーアナウンサーの有働由美子さんが、とあるトークバラエティ番組に出演した際、これまでになんと!
「80回以上ものお見合いをしてきた」ことを明かしておりました。
番組中では、有働さんの妹から
「姉は結婚願望が強くて、めちゃめちゃお見合いに参加しています。本人は50回以上のお見合いを経験したと言っているが、本当は80回以上行っています」
…とのタレコミが。さらにはご本人曰く、
「とにかく(いろんなことを)聞きまくる、仕事柄」
(相手のことを知るために)「『その柄物のシャツ、元々お好きなんですか?』などと質問攻めにして、結局は男性側から断られてしまい、お見合いが成立しなかった」
…ケースも多々あった…のだそう。
う〜ん…すごくよくわかる! どこらへんが「すごくよくわかる!」のかと問われれば、とりあえずは二つ!!
まず一つは
「(つい相手を)質問攻めにしてしまう」とのくだり。ぼくも興味深い対象者──とくに心中では
「今日の“ハプバー”はこの子と
一緒に過ごしたいなぁ」
…と、ターゲットに定めた女性を前にしたら、とにかく矢継ぎ早に質問を浴びせかけての“取材”を行ってしまう傾向がわりと強かったりする…。
「出身地はどこですか?」
「その生まれ故郷はどんなとこですか?」
「ご両親とは仲がいいんですか?」
「ご兄弟とも仲はいいんですか?」
「高校は女子校ですか? 共学ですか?」
「部活はなにをやっていたんですか?」
「思春期のトラウマってありますか?」
「そのトラウマは今の性的嗜好にいくばくかの影響を与えていますか?」
「どんなエッチが好きですか?」
「性感帯を3つ教えてください」
「ハプバーは何度めですか?」
「ハプバーのいいところはなんですか?」
「ハプバーの悪いところはなんですか?」
「絶対NGな性的行為はなんですか?」
「フ○ラとク◯ニ、どちらかを選ばなければ死刑になるとすれば、どちらを選びますか?」
…エトセトラ、エトセトラ…。
そして、「よくわかる!」のもう一つは、こうした「取材」のごとくな質問攻めは、度が過ぎると案外嫌われる…という悲しい事実であります。
一般的に「聞き上手なヒトがモテる」とはよく言われますが、「取材という仕事上での聞き上手」と「モテる聞き上手」は微妙に異なる点があるんです。その違いとは
「自身の情報開示量の比率」だと、ぼくはにらんでいます。
たとえば、聞き手と話し手という役割分担が明確で、時間も限られている「取材」において、いちいち「私はこれこれこうで、だからあれはこうだと思います…」みたいな自己主張を挟み込んでくるがタイプ(※←けっこう実在するw)はインタビュアーとしては三流ですが、プライベートの場では相手を「質問攻め」にした以上、ある程度は自分についても語り返さねばなりません。前者の聞き上手の「自身の情報開示率」が0%〜5%くらいだとしたら、後者のソレは
30%〜40%くらい……といったところでしょうか。
また、その比率が変われば当然のこと、会話のリズムもおのずと変わってくる。有働さんのお見合いが「なかなか成立しない」理由は、「ご本人が相当に選り好みなされているだけ」という可能性もたしかに捨てきれませんが、有働さんが取材中のアレグロなリズム感をそのままお見合いにも持ち込んでしまっていることも、もしかすれば遠因にあるのかもしれません。
ぼくも一度、ジャーナリズム畑の記者魂に満ち溢れた女性とホンの短い期間お付き合いした経験があるのだけれど、あまりに性急な質問の嵐には正直辟易してしまいました。デート中は(回答のため)常に
頭が高速回転しっぱなしなので、“お開き”となってしばらくはぐったりしちゃってマジな話、歩行さえ困難になってしまうのです。
ただ、そんな有働さんの好奇心に突き動かされた「一秒でも早くなんでもかんでも聞かずにはいられない」という心情も痛いほど理解できます。長年をかけて染み付いた“職業病”ってヤツは、そう簡単に払拭し切れるものではないのですから…?