Vol.151 お店へのクレームについて
日々ネット上にはびこる対男子向け恋愛指南系コラムなんぞを眺めていると、
「店員さんに向かって
すぐキレる男はモテないぞ」
…っぽい主旨の“警告”が、やたらよく目に付きます。おおよそでは、
「立場が弱い人に横暴な
男って、怖いしドン引き」
「いくら周囲の人間関係に
気を使ってイイ人ぶっても、
その人の本性とは、
ふとしたところで出てしまうもの」
…といった理屈ですね。
たしかに、サービスを施す側の人たちがやらかしてしまった些細な粗相をきっかけに、鬼の首を取ったかのごとく猛然とクレームを入れたり、怒鳴り散らしたりする男の様子は同性のぼくからしても、端から見ていて決して気持ちが良いものではありません。その「怒りの沸点の低さ」「(悪い意味での)機を見るに敏な性格」「極端な二面性」は、
「これからのお付き合いを
考え直させていただく」
…のに充分なNG要素であることに異論はないし、さらに「すぐキレる男」当人は、少なからずがキレている自分を
「カッコイイ」とすら思い込んでいるフシすらあり、キレまくりながら軽い恍惚状態に酔いしれていたりしております。
しかしいっぽうで、ここまで多くの「恋愛アドバイザー」の皆さまから、ここまで執拗に「店員さんに向かってすぐキレる男はモテないぞ」と、呪文みたいに唱え続けられてしまったら、“真のキレどき”を逃してしまうケースも生じてくるのではないか…と、ぼくは密やかに危惧もしています。
「店員さんに向かってすぐ
キレちゃダメハラスメント」
(↑最悪のネーミングw)
…ってヤツですな。たとえば、過去にぼくが実際キレかけて、または思わずキレてしまった次のようなケースはいかがでしょう?
【case1】コロナ以前の、とあるデパートの物産展にて。私がいかにもタダメシ狙いでなにも買わない風に見えたのか、店員さんが私にだけ試食用のチーズをくれなかった。
[Gジィさんの対応]その後、いかにも金持ちそうな同伴者が私のそばに寄ってきて「どう? 美味しかった?」と訊ねられたとき、わざと店員さんに聞こえるような大声で「試食もらえなかったから美味しいかどうかわからへんねん!」と大阪弁で捨て台詞を残し、その場を去っていった。
【case2】某チェーン系カフェで、次のお客さんがTポイントカードを出しているのを見て、私も慌てて出してみたら、店員さんから「後付けはできないんですけど…」と、にべなく断られた。
[Gジィさんの対応]「ふう〜ん、そうなんだ…」と不機嫌な様子をあからさまにしながらも、あっさり引き下がる。こっちが悪いのはわかるんだけど、もうちょっと別の言い方があるのでは…とは思った。
【csse3】「新人なのでまだ慣れていなくて…」を連発するタクシーの運転手さんに、何度も道を間違えてのUターンを繰り返され、代金がけっこうな額になってしまった。
[Gジィさんの対応]Uターンの最中、「ここはメーター止めてもらえません?」と言ってみたが、なしのつぶてだったので、降りる際「千円くらいは安くしてくださいよね」と詰め寄る。最終的には500円だけ割り引いてもらった。
【case4】ランチするため、とある大バコ系イタリアンレストランに入った際、何度「すみません!」と手を挙げて店員さんに声をかけても、全然注文を取りに来てくれなかった。
[Gジィさんの対応]「あまり時間がないんで…」とエントランスに立っている店員さんに一言告げ、お店を出た。ちなみに「あまり時間がなかった」のは本当。
【case5】後から割り込んできたお客さんを、絶対に見ていたはずなのに店員さんはそのまま先に店内へと案内した。
[Gジィさんの対応]「僕のほうが先だったんですけど!」と、精一杯冷静を装いながらの丁寧語で店員さんに問い詰めた。
以上、こんな仕打ちを受けても、やはりぼくは鷹揚な態度を貫き通さねばならないのでしょうか? じゃないとモテないのでしょうか? 言うべきときにキチンと言うべきことを言わないと、ぼくの経験上から申すかぎり、逆に女子のほうが
「なんで、大人しく黙ってるわけ!?」
…とキレちゃいますから。
ちなみに、念のため! ここ『アグリーアブル』の接客は徹底した教育が為されているので、お客様がキレたときの大半は、その
お客様のほうが悪いパターンだと思われます。手前味噌ではありますが(笑)?