Vol.162 3打数1安打の法則
あの明石家さんまさんが、とあるラジオ番組で
「テレビ番組が長く人気を
維持するための裏技」
…を明かしたと言います。
いったいどんな「裏技」なのか? とりあえずは、ご本人による解説のおおよそを以下に紹介しておきましょう。
「昔、番組で数字をキープするのに『3打数1安打方式』っていうのがあった」
「3回に1回真剣にやれば、そのほうがお客さんが続くんですよ。『面白い・面白い・面白い』ではダメやねん。視聴習慣って。『なんやこれ・なんやこれ・やっぱり面白い』っていう3打数1安打のほうがいいんです」
「(自身の番組でも)わざと力を入れる週と、手を抜く週をつくってた。そのほうが面白さを保てる」
「もう40年何前も前の話ですけどね。テレビの収録の仕方。もちろん、人気があるやつですよ(=ある程度の視聴固定数を獲得できたあとにやる方式)」
さすが、芸能界で何十年間もしのぎを削り、いまだ現役でトップの座を張り続けているお笑い大怪獣ならではの、説得力に満ち溢れた素晴らしい金言だと、思わず唸ってしまいました。
そして、明石家さんまさんほどの偉業ではいないにせよ、このもはや162回目を迎えるこの『アグリーアブル』での連載コラムも、その「3打数1安打方式」を、それなりに実践しているからこそ、まがいなりにもまだ息切れせずにどうにかやっていけているのではないか…とも実感しました。
もちろんのこと、さんまさんのように“わざと”力を入れたり手を抜いたり…と確信的な緩急をつけるだけの才覚は、少なくとも現時点でまだ、ぼくは持ち合わせておりません。
しかし、長く連載を続ける場合、「10割打者」への“気負い”は、逆にプレッシャーとしてマイナスへと作用し、結局は「トレーニング過多による故障」などから“選手生命”を縮め、
「もう書けません!」といった“自滅”の時期を早めてしまう──つまり、自覚的にではなく
「打席に立たないくらいなら
空振り三振のほうがマシ?」
…的な一種の防衛本能として(潜在的に)「3打数1安打」を目指すことによって、ぼくは一日でも本コラムを書くことができるよう、メンタルコンディションの調整を行っているのです。
「3打数1安打=打率:.333
を打てるバッターはまぎれもない
強打者ではないか!」
…と。
そして、この脱力の発想は、じつのところ仕事だけではなく、日々のインスタだとかTikTokほかのSNSやYouTubeへの投稿に四苦八苦している“素人さん”にも…さらには、ここ“ハプバー”に足繁く通いながらトキメキのハプリを期待する常連の皆さまにも、ぜひ心掛けてもらいたい珠玉のノウハウだったりします。
そう!
「毎回の来店ごとに
ホームランをかっ飛ばす
必要なんてない!」
…といった心の余裕こそが、ひいては
アダルトな振る舞いへとむすびついていくのではないでしょうか。