Vol.183 身長が170㎝ない男子の「人権」について
ちょっと前の話ですが、とある女性人気プロゲーマーさんが、とあるライブ配信プラットホームでの配信中に
「身長170㎝ない男は人権ない」
…などと発言したことが物議をかもしておりました。
その問題発言は、とある女性人気プロゲーマーさんが、かつて「自宅でUber Eatsを利用した際、大学生くらいの年齢の男性配達員からいきなり連絡先を聞かれた」とのエピソードに起因しているらしく、同ライブ配信では当時の率直な心象を以下のように語っていた…と聞きます。
「(注文した商品を)受け取ったらさ、なんかなかなか帰らんと家の前でずっとモゴモゴすよって。で、もう一回ピンポン鳴って、出たら『すみません、連絡先教えてもらえませんか』とかって。恐怖でしかない」
たしかにコイツは恐怖でしかありません。昨今、こうしたUber Eatsの配達員への丸投げ的な雇用形態──
「教育なき人海戦術」が、方々でトラブルを生んでいるのはまぎれもない事実であって、実際に被害を受けた張本人が、それを実名を挙げて糾弾するのは、決して間違っちゃいない…と、ぼくは考えます。
しかし、そのあとの発言がいけませんでした。
「背が低くて、たぶん165(センチメートル)くらいしかなかった。165もないんちゃうかな、くらいの。その時点でもう『無いな』ってなってしまった。背が高くてムキムキやったら連絡先は教えてた可能性はある」
「なんや! 高身長のマッチョ
やったら教えてたんかい!?」
この時点でまったく論点はすり替わり、
「165はちっちゃいね。ダメですね。170ないと、正直人権ないんで。170センチない方は『オレって人権ないんだ』って思いながら、生きていってください。骨延長の手術を検討してください。『骨延長手術』で調べてください。170あったら人権がちゃんと生まれてくるんで」
…と、単なる
「身長アンダー170㎝男」のディスり
へと成り下がった過激な“演説”が止まらない…。
さすがに「人権」までは剥奪されないでしょうけど(笑)、内心では同じような基準で“タイプの男性”を線引きしている女性は、今でも一定数生息し続けているのではないでしょうか。ここ“ハプバー”にだって「実在しない!」とは断言しきれません。
ただ、そういうヒトたちは「自分」という名の
「小さな王国」だけでその「法律」を施行してりゃいいわけで、「他国」を無理やり併合しようとするから、「コンプライアンス」という最新兵器で「返り討ち」の目に合ってしまう…。
おそらく、この女性人気プロゲーマーさんは、自身の「王国」の勢いに乗じたうえで「等身大の自分」を貫こうとして、つい迂闊な言動に走ってしまったんでしょう。
かといって、やれ
「ジャニーズの人気者にも身長160㎝台がたくさんいる」
…だの、やれ
「北京オリンピックで金メダルを獲得した日本の大ヒーロー・平野歩夢選手も身長は165㎝」
…だのと、反証法を駆使してまでその発言を全否定する「リベラルな大国」のやりくちも、いささか大人気がないのでは???
ちなみに、ここ数年は身長169.7㎝から171㎝あたりを行き来して、「人権」を奪われたり再び与えられたり…と年に一度の健康診断ごとに翻弄されている還暦間際のこのぼくですが、そんなぼくは
「身長があんまし
高すぎる男の人って、
どうも苦手なんですよ〜」
…みたいな、稀少ではあってもじっくりと探せば確実に発見できる…はずな、また別の「王国」へと亡命すればいい…と開き直ることにしています。
そう!
「身長至上主義をアイデンティティ
として掲げる国もあるよね」
…と軽く流して、頑なにシカトしておけば済む話なのです。