Vol.199 正しい恋愛マニュアルの在り方
以前、ここに寄稿した『Vol.181恋愛マニュアルの錬金術』というコラムで、ぼくは
・清潔感がある
・愛嬌がある
・いつも笑顔
・気配り上手
・一緒にいて安心できる
…などと、「コレが全部、当たり前のようにできたら誰も苦労はしないっしょ!」的な、ある意味身も蓋もないド定番な“教え”のホンのいくつかを、表現をちょこっと変えるだけでただ漠然に
「聖人を目指しなさい」
…と強いるたぐいの“恋愛マニュアル”を何十も何百も生み出すその手腕って、案外すごいかも…みたいなことを書きました。そして、そんな問題喚起(?)がぼくの脳裏にうっすらとよぎったのをきっかけに、
「もっと、私の予想をガツンと
裏切ってくれる掟破りで
アグレッシブな
女性向け恋愛マニュアルには
出会えないものなのか!?」
…との想いが次第に膨らんでしまっている次第なのです。
…とは言っても、いや〜なかなか見つからんものですな、そーいう珠玉の記事って…。
でも、ありましたよ! とある恋愛系ネットメディアが配信していた
『モテるのはナゼ?
男性に追われる女性の特徴』
…なるタイトルの記事であります。
正直、タイトルに関しては期待感をまるで抱けない凡庸なレベルだと思いました。ただ、クリックして本文を開いてみたら…?
(1)多くを語らないが、ここぞという時は意思を伝える
(2)好意は小出しにして伝える
(3)周囲からの評判が良くなるように立ち振る舞っている
……と、冒頭で前述した“綺麗事のオンパレード”とは違って、少なくとも
「ひょっとすれば
明日からでも実行できそう?」
…な“具体策”が提言なされている。つまり、どれもが確信犯であって、それはイコール
「マニュアル」として
きちんと成立している
…ということです。
たとえば、(3)の効果として同記事の筆者は、
「男性はハンター気質がある人が多いため、周囲から人気のある女性ほどみんなが競争してゲットしようと動くのだそう」
…と指摘します。
「男性のハンター気質」を刺激することを目的に、日ごろから周囲への気遣いを怠らない──見方によっては嫌な女じゃないですか(笑)。しかし、
「聖人=モテる」
…といった雲をつかむような空説を無責任に垂れ流すのではなく、
「本気でモテたきゃ、
それくらいの奸計は
働かせましょうよ」
…と、極論すれば「悪人のすすめ」を奨励する開き直りこそが、こと恋愛マニュアルにおいては、正しい姿勢なのではないでしょうか。
“ハプバー”マニュアルだったら、「女性には紳士に振る舞いましょう」ばかりじゃなく、
「露出度バリバリの
エロエロファッションで
完全武装している女子より、
地味めなファッションの
女子のほうがじつは狙い目」
…みたいな? ただ、すみません! この説はそこまで
信憑性はありません(笑)