Vol.207 身長詐称について
Vol.183のコラムで
「身長が170センチない男子」の葛藤についてアレコレと書きましたが、自身の身長について、大なり小なりのコンプレックスを抱いているのは、女子も同様であるようです。
…ってなわけで、モデル兼タレントの河北麻友子さんが、とあるラジオ番組で、共演した友人の青山テルマさんと
自身の身長についてアレコレと論じ合う
…一幕があった…のだそう。とりあえずは、そのやりとりの一部を以下に抜粋してみましょう。
青山さん「皆さんすいません。これはどこにも絶対しちゃいけないんですけど、麻友子さんね、(身長)163(センチ)って言ってるんですけど、絶対160(センチ)ないんですよ」
河北さん「今日(番組が)始まる前に(青山から)『麻友子、身長何センチ?』みたいな感じで言われて『163だよ』って言ったら、もうすごい声で『絶対ないから!』ってすっごい否定されて。163センチなの。マジでマジで」
青山さん「うち157(センチ)なのよ。あたしも160(センチ)として生きてた時期はあるの。大学生のときに。だからプロフィールは160(センチ)になってるきっと。けど、一回測ったときに157(センチ)だったの。『あー157かぁ』と思って…」
河北さん「それ言うなら私は165(センチ)で生きてるの。雑誌とか本当にマジで」
青山さん「しょぼい、うちらの盛り方しょぼい」(と大爆笑)
河北さん「ホントよ。テレビとか出るときに165(センチ)とか平気な顔で言ってるから。そうそう。だけと本当は163(センチ)だから。それを158(センチ)とか言われちゃうと話が絶対違うから。本当に測ってるから。マジで」
どーだっていい話と言っちゃあ、心底どーだっていい話
ではあるものの、河北麻友子さんの必死さだけはひしひしと伝わってくる、ぼく個人としてはなかなかに興味深いリアクションでありました。
テルマさん側にしても、ほんの軽い気持ちで投げた
キャッチボールのつもりだったのが、まさか相手がいきなりバットを握ってそのふわっとした球を渾身のスイングで打ち返してくるとは夢にも思っていなかったのでしょう。あくまでジョークで流そうとしているテルマさんの受け応えの随所にも、ちょっとした戸惑いが見てとれます。
だがしかし! ぼくはとくに河北麻友子さんに対して強い愛着があるわけではないんですけど、今回の“案件”にかぎっては、全面的に河北さんの「フルスイング」を支持したい!
テルマさん! どんなに仲良しでも、面と向かって人の「身長詐称(疑惑)」を…それも公共の電波に乗っけて指摘するのは、いささか無神経すぎるのではありませんか?
…と。
バブル時代に流行った「3高」という言葉がありますよね?
「高学歴・高収入・高身長」
…という女性間における、当時インフレ状態だった「結婚したい男」の基本3条件のことです。そして、この「3高」は今の令和の時代でも、コンプレックスの根幹として、男性だけはなく女性のあいだにもひっそりと脈づいている……と、ぼくは考えます。
だとすれば、たとえば「学歴」は絶対的な事実ゆえ、もうどうしようもありません。「収入」はこれからの頑張り次第でどうにかなる(かもしれない)。ただ「身長」に関しては「学歴」同様“絶対的な事実”ではあれ、ある程度の誤魔化しが効く…つまり「3高」のなかでは唯一
「嘘が許されやすい」
…要素であって、“頑張って”自分なりに設定したリアリティと照らし合わせがら詐称している(疑惑のある)ヒトのことを
「それ嘘でしょ!」
…のひと言でバッサリとぶった斬ってしまうのは、あまりにも残酷なのではないでしょうか?
ちなみに、コレはVol.183のコラムでも告白したことなんですけど、ぼくは今年、年に一度の健康診断ではじめて「169.5センチ」をクリニックから宣告されてしまったのですが、それ以降でも頑なに
「身長はだいたい
170センチくらいです」
…と公の場では言い張っております。
そんな微妙な身長と、物心ついたころからず〜っと付き合ってきた人間のサバ読み、小さな嘘は…大人なんだから、そっと見逃してもらいたい。
したがって、ここ“ハプバー”でも相手の身長に関して突っ込んだ意見を述べるのは禁物──女性の場合は、高身長がコンプレックスとなる、逆サバのケースもありますしね…?