Vol.211 いつも同じ服を着ているジョブズなヒトってオシャレなの?
とある女性向けのWebマガジンが、
「オシャレにまったく興味がない女子」
…の「あるある」を紹介する旨の記事を配信しておりました。
本記事に登場する「Kちゃん(25歳)」は、
「ファッションにまったく興味がなくて、ほぼ毎日同じ格好をしている。冬は本当に毎日同じで、汗をかく夏だけ日替わりみたいな感じかな…洗濯したものをそのまま着ればいいだけだから、ラクだしね! 服を選ぶのに悩んだり、時間がかかったりするのがイヤなんだよね〜」
…といったタイプの女の子。ただ、職場では薄々と気づかれているようで、この前、同僚の女性から
「もしかして
スティーブ・ジョブズを
意識してるの?」
…と言われてしまった…とのこと。
ちなみに、念のため。2011年に56歳の若さでお亡くなりになった、Appleの共同創始者の一人でもある実業家の
スティーブ・ジョブズさんは、いつも
黒いタートルネックを着ていたと言います。ルーティンにできるものはすべてルーティンにしてしまうことによって、
「決断の回数を軽減し、
脳の余力をつくる」
…といった発想…なのだそう。
ジョブズさんにとって、それにKちゃんにとっても「ファッションへのこだわり」は優先順位がかなり低く、そこにいちいち脳を働かせるのは無駄な労力でしかないのでしょう。
しかし、ジョブズやKちゃんのように「いつも同じ服を着ているヒト」のことが、ときにオシャレに見えてしまう場合もなくはありません。少なくともぼくは、その「いつも同じ服」が異臭を放っていなかったり、汗染みやシワがなかったり…と、最低限の清潔感さえキープしていたら、そう思ってしまう派だったりします。
たとえば、「同じ服」ではなく、いつも黒いジャケットに黒いパンツに白いインナーなんだけど、じつはそのインナーが襟付きやマオカラーのシャツだったり、丸首やVネックのTシャツだったりタートルネックのセーターだったり……と、会うごとに微妙に違った「同じような服」を着ているヒトとかは、「ホンモノのオシャレ」だと、つい感心してしまう。
「自分に一番似合う服を
確固たる意志でチョイスし、
他人に与える外見的な
インプレッションを
よりクリアかつ強烈に演出している」
…からです。野球にJAZZに美味しかった料理に旅行先のキレイな景色に…と、テーマに一貫性のないインスタより、
ラーメン一筋のほうがフォロワーが増えやすいのと同じ理屈なのかもしれません。
わかりやすい例で言えば、一昔前だと林家ペーパー夫妻の「ピンク」、最近だとカズレーザーさんの「赤」といったとこでしょうか? “ハプバー”の常連さんにもたまにいますよね? いつも同じような露出高めのピタピタセクシーファッションで完全武装しているレディ(や、たまにジェントルマン)って…。たしかに、そのほうが
周囲のコンセンサスという面では、圧倒的に優っているのです。
ぼくなんかは、仮にジャンパー一枚を買うときでも、すでに持っているストックと形どころか色が被っているアイテムですら、購入を躊躇してしまいます。そういうオシャレの仕方もアリ?…ってえのは否定しませんが、ぼくはそんな自分のどことなく貧乏くさい性格が、じつはあまり好きになれないのでありました。