Vol.223 「垢抜ける」ということ
せっかく東京勤務になったので、
もっと垢抜けた男に
なりたいんですけど…
どうすればいいですか?
先日、こんな相談をいきなり持ちかけられました。相手は、ぼくの友人(男性)が「今日もう一人連れて行っていいですか?」と飲みの席に連れて来た、友人が経営する会社に今年4月に入社したばかりの、まだ20歳になったばかりのピチピチ男子。出身地は中国地方のT県で、上京してまだ1ヶ月も経っていない…とのこと。
地方から上京したばかりの初心(ウブ)なヤングが
「垢抜けたい!」と想い焦がれる、その切実な心情は痛いほど理解できます。そして、この大都会において、もっとも先鋭的なスポットの一つであるここ“ハプバー”でも、
「垢抜けている」という要素が
美味しいハプニングと
出会える確率を大きく左右する
…のは申すまでもありません。
だがしかし、「垢抜ける」とははたして、具体的にはどういう状態のことを指すのでしょう?
ネット辞書『コトバンク』には、
・垢やよごれなどが落ちてさっぱりとしていること。
・容姿・態度・技芸などが洗練される、都会的にすっきりと洗練されること。
…とありました。なるほど、とりあえず
「都会的に洗練される」との解説に倣(なら)うならば、都会に出てきた「男子」が都会の洗礼を受け垢抜けていく「オーソドックスな順番」ってヤツは、たしかにあると思います。ぼくがこれまで観察してきた多くの上京ヤングから、ぼくなりに導き出した「順番」とは、以下のとおり!
・髪型が垢抜けていく
・眉毛が垢抜けていく
・靴が垢抜けていく
・服装が垢抜けていく
・脱毛で垢抜けていく
まず重要なのは「髪型」。できれば床屋じゃなくて
「美容室」に行って、
「ボクに一番似合う感じに切ってください」
…とだけ注文するだけでOK! 極端なツーブロックにしたり、髪をピンクに染めたり……と、アグレッシブすぎるヘアスタイルにする必要まではまったくありません。髪型だけでもすっきりすれば、外見だってガラッと変わってくるものなのです。
次に「靴」。靴がみすぼらしいと全体の印象も確実にみすぼらしくなってしまいます。ここはできれば1万円くらいはかけて、予算的に一足しか購入できないなら、その一足をマメにお手入れしてください。
「服装」は、別にお金をかけなくてもかまわない。ユニクロで充分……いや、むしろユニクロがベストでしょう。妙にインパクトが強烈なロゴやイラストがドカンと描かれている奇抜なデザインのTシャツはなく、なるべく無難な色や形のものを選ぶべき。パーソナリティを前面に打ち出すのは、おのれが洗練され尽くしてからの話。まずは「個性」という名の、ある種の「目立ちたい願望」を
いったん洗い流すことこそが「洗練」なのです。
美容整形外科に通ってヒゲや全身の「脱毛」を試みたりするのは、もはや仕上げの段階。「都会暮らしをはじめて、すでに
10年以上」クラスの男子でも“そこ”まで到達していないケースが大半ゆえ、通うなら“そこ”に投資する余裕ができるくらいにお金を稼げるようになってからでよろしい。
以上、「垢抜ける」とは、とどのつまりが引き算であり、本来の意味が「垢やよごれなどが落ちてさっぱりとする」であるように、
「地元では放ったらかし状態だった
余計なモノを削ぎ落としていくこと」
…だと言えます。「自分をデコラティブに盛っていく」のは「垢抜ける」とは真逆の行為である……という真理だけは肝に銘じていただきたい!
さて。ここまでを読んでくださった賢明なる読者の皆さまなら……「眉毛」に関する言及がサラッと飛ばされている事実に、お気づきになったことでしょう。
ぼくは順番こそ2位になってしまいましたが、「眉毛」こそがもっとも重要な「垢抜けの要素」だと考えます。
極論、「美容室に行くお金もない…」というボンビー(※←死語?)な男子でも、「眉毛」さえ整えればずいぶんと印象は垢抜けてきます。たとえば「ゲジゲジ眉毛」なら、そのゲジゲジな部分だけを毛抜きで抜いてスッキリさせればよい。
原則としては、
眉毛の上の部分は残して
下の部分を中心に抜くこと
そうすれば、凛々しい逆八の字型の眉型をつくることができるからです。ただし、抜きすぎると田舎のヤンキーみたいな細眉にもなりかねないので、くれぐれも
「やりすぎは禁物!」
…だと付け加えておきましょう。