Vol.275 「美容整形の告白」について
とある美容整形外科クリニックが
「最新の美容整形事情」
…を探るさまざまなデータを、プレスリリースというかたちで公表しておりました。
まず、同クリニックの門をたたいた来院者数は、2015年〜2020年の6年間を比較すると、6.7倍に! ちなみに、前年比は1.6倍で、もっともポピュラーとされている「目元の整形(二重の埋没法・切開法ほか)」の件数に関しては、じつに6年間で15.4倍も増加していると言います。
新型コロナウイルスの蔓延による在宅勤務や外出自粛で、
「人と会う機会が減った」
「ダウンタイム
(施術後の腫れなど回復するまでの時間)
を他人に見られずに済む」
「マスク着用が当たり前になった」
…という生活様式の劇的な変化が、少なからずの追い風となったのでしょう。
そして、同クリニックが、相談ならび施術のため来院した
10代〜50代245名の女性を対象に行なったアンケート調査によれば、なんと!
美容整形をしたら9割以上
(95.9%)が「周囲へ言える」
…と、さらには
4割以上(41.2%)が
「SNSで発信したいと考えている」
…と回答した…のだそう。
また、「美容整形に対するモチベーション」に
ついて尋ねてみたら、
「自分自身のため」
…との返答が「モテ」や「他人からの評価」を大きく上回った…
らしい。
すでに美容整形を決断した女性──つまり、美容整形を身近かつポジティブに捉えている層のみから取ったアンケートとはいえ、「公言」を厭わない女性が9割以上…とは、一昔前の日本では考えられない、
驚愕の数字ではありませんか!
仮に、男性であるぼくだとどうでしょう? 還暦を間際とする初老男子のぼくには、さすがに今さら「美容整形」はあまりピンと来ないので(笑)、カツラだとか植毛って話にしとこきますか…?
ん〜…ヤッちゃったからにはやっぱ、
おおっぴらにはできない
…ってか、したくはないわな…。
「本当は薄毛でした」という事実より、むしろ
「薄毛を気にしていた自分」を悟られてしまうのが恥ずかしい。白髪染めなら、たぶん堂々と言えるハズ…なのに?
もしかすると、
「外見のマイナスをゼロにする行為」
…を恥とする──これが我々現代の日本人の
最大公約数的な感性なのかもしれません。
いっぽうの「美容整形」や「白髪染め」といった
「ゼロをプラスにする行為」
…には、
「それがなぜ悪い?」
…と、逆に開き直り、公に向けて発信することで
後ろめたさを無くし、
「よりイケてる自分」
…を自信の源とするのでしょう。
ぼくは、ずいぶん前から、たとえ自分のカノジョであろうが妻であろうが、
「整形したいんですけど…」
…と告白されたら、
「うん、いいんじゃない?」
…と即答できる、まぎれない美容整形肯定派でありました。
しかし、眼だけだったり、鼻だけだったり、オッパイだけだったり…の一点だけに局地的なこだわりを抱きすぎず、“そこ”をイジることによって、自身の外見のトータルバランスがどのような影響を受けるのか…は、決断へと到るまでに、冷静に考え抜いてもらいたい…と思っています。