Vol.391 「雰囲気美人」を目指すことの不毛性
まったく実践性に乏しい「恋愛マニュアル」ってヤツが、ネット上には日々蔓延(はびこ)っています。そのもっとも顕著な例の一つとして挙げられるのが
「雰囲気美人のすすめ」
…的なたぐいのモノであります。たとえば、とある女性向け恋愛系WEBメディアが、
「雰囲気美人が最強説!?
見た目は普通なのに
モテる女性の秘密とは」
…なるタイトルの記事を配信しておりました。
冒頭から
「美人より
普通の女性のほうが
モテる?」
…との論調のリード文で読者を煽りながら、
「見た目は普通、なのに
なぜかモテる女性の特徴」
…として
・親しみやすい
・コミュニケーション力が高い
・聞き上手
・少し隙がある
…の4つを列記し、最後は
肌や髪を綺麗にケアする、メイクや服装をほどよく今っぽく・でも奇抜にならないようにアップデートする。少しの工夫で雰囲気美人は作れます。顔かたちそのものは変えられませんが、「美人っぽい」「かわいいっぽい」雰囲気を作り出すことは誰にも可能です。
…ってことで、
「モテたきゃ
雰囲気美人を
目指しましょう」
…と、〆ています。
ここまでを読むかぎり…ものすごく雑なアドバイスだと思いました。
(辛うじて)具体的な対策として認められるのは、「肌や髪のケア」と「メイクや服装のアップデート」……くらい?
そりゃあ、たしかに
「雰囲気美人=モテる」
…という定則は正解なのかもしれません。モテたきゃソコを「目指す」のも、戦略としては間違っちゃいないでしょう。が、今回前出した記事だけじゃなく、「雰囲気美人推奨」系
マニュアルは、その大半が
「じゃあ
実際のところは
どーすりゃええねん!?」
…といった問いかけに対する「アンサー」の視点が、
あまりにも欠落しすぎているのです。
「親しみやすい」「コミュ力が高い」「聞き上手」(※「聞き上手」と「コミュ力」は微妙に被っている)…って言われてもねぇ…。
そんなん、指摘されて一日二日で習得できるスキル
じゃないっしょ(笑)!?
とくに
「少し隙がある」
…ってくだりは、厄介極まりありません。
「隙」というワード自体があまりに曖昧だし、「少し〜」の塩梅の調整も、じつにデリケイトな課題になってくるからです。ここ“ハプバー”だと、
「“ハプバー”で赤ワインをこぼして、相手男性のYシャツをシミだらけにしてしまう」
「“ハプバー”で飲みすぎて、となりにいた男性の肩に寄り添い、うたた寝してしまい、ヨダレを垂らしてしまう」
「“別室”でつい小さい音のオナラを漏らしてしまう」
…みたいな感じで大丈夫なのでしょうか?
「ヨダレ」や「オナラ」は「少し〜」の範疇を
超えちゃあいないのでしょうか??
結論を申せば……少なくともGジィさんは「雰囲気美人」を自覚的に目指すマニュアルを制作するのは不可能だと諦めています。“ハプバー”で「雰囲気美人」を気取るなら、せいぜい露出度の高い
エロティックなファッションでキメる…くらい?
そのマニュアルづくりの仕事は
「オーラのあるヒトを目指す」
…と同程度に困難な、気が遠くなるような作業の積み重ねとなるのは、火を見るより明らかだからです。
だったら、いっそ
「男性ウケのいい目をつくるには、◯◯施術で二重(ふたえ)にして目頭を××すればいいですよ」
…なんて風に、あっけらかんと美容整形で
「顔かたちそのものを
変えてしまう」
…ことを促すマニュアルのほうが潔くて、まだゴールが見えやすい気がするのですが、いかがでしょう?