Vol.428 「キミのためを思って〜」という枕詞について
某ニュース系サイトで「人間関係論」を専門とするヒトが
『「あなたのためを思って…」
と前置きして、
傷つくことを言ってくる人。
上手に距離を置く方法は?』
…なるタイトルのコラムを寄稿なさっておりました。冒頭には、
「あなたのためを思って……」と言いながら、傷つくことをズバズバと言ってくる人は存在します。そういう人と出会ってしまったときは、どうしたらいいのでしょうか? 素直に聞き入れるべきか、それとも離れるべきか。具体的な対応策を紹介します。
…とありました。その「具体的な対応策」とは…(誤解を恐れず)相当にかいつまんで略説すると、
本当に「あなたのためを思っている」のか(=相手の本質)を見極めたのち、「そうじゃなさそう?」と判断したら、 “本筋” の話を「聞き流し」ながら、「よく分かりました。教えてくださり、ありがとうございます。今後、気を付けます」と感謝の言葉を言って、そっと離れる。
…ってな感じでしょうか。
とても、共感できる部分が多いコラムでありました。同時に
「この著者さんって…
とっても
やさしいヒトなんだなぁ」
…とも思いました。なぜなら、ぼくならば…この
「アナタ(キミ)の
ためを思って〜」
…というワードが出てきた時点で、もう…たとえその直後に
栗山監督並みの珠玉な金言が続いたとしても、そのヒトのことが丸っきり信用できなくなってしまうからです(※ただし、肉親と恋人は除く)。
まず、「アナタのため」という錦の御旗を振り翳(かざ)しながら、他人の人生にズカズカと踏み込んでくる、その
デリカシーの無さ──無神経さが、すごく嫌!
こういう枕詞が(おそらく)無自覚的な口癖となっているヒトは、裏を返せば
「自分のアドバイスは
100%正しい!」
…といった、「自信」という名の過信に満ち溢れているのでしょう。だから
「アナタもそうすべき!」
…と澱みなく断言できるわけであって、
「もしかしたら…
アタシの考えは
間違っているかも?」
…みたいな、ある種の慎重さや臆病さからくる内省的な自問自答に無縁な性格の持ち主であります。居酒屋あたりで
「オレも若いころは〜」
…と、酔いにまかせて入社したての部下相手に
グチグチ説教を垂れているオッサンとやっていることはほとんど変わりませんね。しかも、本人は心底「親切心」から
「アドバイスして “あげている” 」
…と信じ込んでいるものだから、なおタチが悪い。
“ハプバー”でも、初対面からいきなり
「キミのためを思って
ボクはキミを
ソファー席に誘っているんだよ」
…なんてセリフをヌケヌケと吐くヤカラは、たぶんエッチも
独りよがりで乱暴なプレイに終始するに違いありません。
Gジィさんだったら…もし万が一、誰かにアドバイスをしなければならないシチュエーションに遭遇してしまった場合、枕詞には
「あくまで
ボク個人の主観
なんですけど〜」
…
…というワードを使用します。さらに、アドバイスの末尾
には、必ず
「〜だと思うのですが
いかがでしょう?」
…と付け加えます。
そもそもぼくは、原則として
「他人にアドバイスをする」
…という行為があまり好きじゃありません。
冷たいようですが、Gジィさんはいつも自分の人生と、ここ『アグリーアブル』での今宵のパートナー探しのことだけで頭がいっぱいなので、
「他人の人生に
介入するだけの余裕」
なんて…これっぽっちもないのです。