Vol.457 ハプバーで知り合った、とある風俗嬢のお話(後編)
(※前回から続く)
──話をちょっと前に戻してもいい? 23歳くらいでスタイリストになったわけでしょ? ぼくの知るかぎりでは、かなりのスピード出世だと思うんだけど…。そんな順風満帆な美容師人生を歩んでいたのに、
なんで辞めちゃったわけ?
Y美さん:単純に疲れちゃった…(苦笑)?
アタシが働いていたような小さな美容室では、人がいないからスタイリストでもアシスタント仕事を兼ねなきゃダメなんですよ。
「若いスタイリストは
頼りなく見える」
…のか、お客もなかなかつかないし…。とくに、わたしは見た目が
実年齢より若く見えるので(※たしかに「21歳」と言われても、なんら違和感はなし)、厳しかったですね…。なので、
「見た目年齢が
実年齢に追いつくまで
休憩しようか…」
と…(笑)。
一応、「スタイリスト」という肩書きは履歴書にも書けるので、条件さえ選ばなければ、いつでも復帰できますから。
──「休息期間」にもかかわらず、どうしてデリヘル、なの?
Y美さん:じつは美容師時代から、たまーにやってたの。
アシスタント時代はカツカツの生活だったし、
スタイリストになっても
「駆け出しは給料だって
ほとんど上がらない」
…から、貯金も全然なかったし…。
美容師の世界って、
「古い職人気質」
…みたいなものがまだ残っていて、極端な話
「ウチで修行させて
やってるんだから、
お金もらえるだけでも
ラッキーでしょ?」
…くらいに、経営者側はマジで思ってますから。
独立するか、せめてサロンのトップスタイリストにでもならないと、お金は稼げない…。
──つまり、薄給で「修行」する期間が、下手すりゃ10年以上にもおよぶってことですね?
Y美さん:そうそう! そうなんです!! だから、
「実家がお金持ちで
働いていても
仕送りを送り続けて
もらえるようなコ」
…以外は、
「時間の融通がきいて
短時間で稼げるバイト」
…に、つい走りがちなんですよ。となれば、
「風俗が一番手っ取り早かったりする」
…じゃないですか。
そして、昼も夜も働き通しで体もヘトヘトになって…。結局は
「つらいほうの
“本職” を辞めて
“バイト” のほうが本職」
…になっちゃう。
「風俗嬢に元美容師が多い」
…と感じるのは、そういう理由が大きいんだと思う。
──キャバクラじゃダメなわけ?
Y美さん:キャバだと接客がメインになっちゃうじゃないですか! それだと美容師とあんまし変わんないから…。
──別の昼の仕事に就こうとは考えなかったの?
Y美さん:無理無理! やったことない昼の仕事を一から覚え直してたら「休憩」になりませんからね〜(笑)。
だったら、昔ちょこっとやってたことのあるデリヘルでいいかな…って。「一か月に10日」も入れば、充分
「OLさんと同じぐらいの生活」
…はできますし、現に「昔」やってみて、そこまで嫌悪感も
感じなかったので…。
──「嫌悪感を感じなかった」というのは、重要なポイントなんだろうね? 生理的に見知らぬ男と粘膜の交換をする行為を受け入れられない女性って、やはり多いわけだから。
Y美さん:「お客に触れる仕事」って意味で、
「美容師と風俗は似ている」
…と思うんです。そこも「風俗嬢に美容師が多い」理由のひとつなのかもしれません。何日も洗ってない汚い髪のまんまでくるお客さんも、けっこういますからね(笑)。
──今、プライベートはどういう過ごし方をしているの?
Y美さん:お休みのときは、だいたい家に引きこもって
ニャンコと遊んでます。あとは、デリヘルでのストレス発散のため “ハプバー” に行ったり…。
それに最近はセクシー女優もやり始めたりして…。
──へ〜〜〜〜っ!? セックスが好きで好きでデリヘルと“ハプバー”だけじゃヤリ足りない、と(ニヤリ)?
Y美さん:う〜〜〜〜〜ん…エッチはたしかに好きだけど…それよりは役柄中いろんな洋服を着させてもらえたり、髪やメイクをいじっていた側から
「いじってもらえる側になる」
…のが楽しかったりするんですよ。近ごろ、お店と家の往復だけなんで、単純に
「おシャレして外にも出たい」
…ですしね。
──うんうん! イケてるよ、今日のファッション!! んじゃ、そろそろ二人でアッチの部屋行ってみる?
Y美さん:せっかくの“ハプバー”で、あんまし
無駄撃ちしたくないんで…
今日は遠慮しておきます(笑)。
──無駄撃ちなのね…ボクとするのは(T . T)