Vol.475 ハプバーでの第一人称について
日本語には、とくに男性の場合、「自分のこと」
──つまり
「第一人称」
…を示す場合、じつにバラエティに富んだ、さまざまな表現手段があります。ザッと頭に浮かんだだけでも、
「僕」
「俺」
「私」
「アタシ」
「自分」
「Gジィさん」
(※↑ファーストネーム呼び)
「吾が輩」
「小生」
「ぼくちん」
「オレっち」
「ワシ」
「ワイ」
(※↑男女問わず北海道出身の人に多いとの噂)
「ミー」
…ほか諸々と、挙げても挙げてもキリがありません。
ここ『アグリーアブル』のブログでコラムを書く身からすれば、
たとえば
「俺」
「オレ」
「おれ」
…と、これらを漢字で書くかカタカナで書くか平仮名に
ひらくか…だけでも、ずいぶん印象が変わってくるものです。
とりあえず、Gジィさんは…会話の際は関西男性が意外に愛用しがちとされている「僕」にしており、執筆の際は、昔はおもに
カタカナの「ボク」だったのですが、50歳を越えたあたりからは
「ボク」だと
ちょっと幼稚っぽいかも?
…という理由で、平仮名の
「ぼく」
…を、本ブログではメインにしております。
そして、ここ“ハプバー”においても、
「自分のことを
どう呼ぶべきか問題」
↓
「自分のキャラクターに
一番合った一人称を選ぶこと」
…が、かなり重要なポイントとなってくるのは、申すまでもありません。その選んだ一人称で、
「第三者が抱く
あなたのイメージ」
…の少なからずが確定してしまうと言っても
過言ではないからです。
もちろんのこと、「正解」はありません。ここ“ハプバー”だと、「俺」(=オラオラされたい女子には好かれそう)、「僕」(=優しくエスコートされたい女子には好かれそう)…と、女性の
趣味嗜好によって、チョイスすべき第一人称も
微妙に異なってくるでしょう。
個人的には、男性があえて使用する
「私(わたし)」
…なんかは、礼儀正しさや上品さが感じられ、そんななかにもどこか他人を突き放すようなサディスティックな冷たい響きと
希少性もあって…悪くはないと思うのですが、いかがですか?
さて。やや話は脱線するのですが、日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った『2ちゃんねる』や動画サイト『にこにこ動画』などを手掛け、現在も英語圏最大級匿名掲示板『4chan』の管理人などを務める、ひろゆきさんが
「ラクしてうまく生きる方法」
…について語っているインタビュー記事を読んだことがあります。大雑把には、
「おいらは、
おすすめの本を
聞かれると〜」
…という自問自答をフックとして、
「ヨーロッパやアメリカが世界を席巻しているのは、横に長いから。大陸が横に長いと、小麦とか米とか芋とかトウモロコシとか多種の穀物が獲れるよね、牛とか羊とか馬とか家畜もたくさん種類がいるよね、という差がだんだん大きくなっていって、(縦に長い)南米やアフリカ大陸が太刀打ちできない文化を作った」
…みたいなことが書いてある(らしい)
『銃・病原菌・鉄』
…なる書籍を挙げ、
「じゃあ、人類の努力とか、ほぼ無意味だよね」「だったら、長期的にラクに得する選択肢を選ぶクセをつけたら、人生もだんだんと変わっていくのでは?」
…といった結論を導き出す流れで、Gジィさんとしても同感できる部分が多い、けっこうに読みごたえのある内容でありました。
さらに、上から目線の断定的な傲慢さも一切感じさせない、いつもの飄々としたソフトな調子で──にもかかわらず、どことな〜く
「喉に小骨が
引っかかったかのような
異物感」
が…? なんで??
そう! その「異物感」の正体とは…まさに冒頭に出てきた
「おいら」
…にあったのです!!
漢字で表記すれば
「己等」
「俺等」
──『ピクシブ百科事典』によると、
「主に男性が使う一人称の一つ。元々は関東の方言であり、近世江戸では女性も用いた」
…と解説されておりました。
「おいら」使いでならす著名人として、まず頭に思い浮かぶのは、あのビートたけしさんであります。あと、最近は女優の吉高由里子さんもSNSなどで時おり自身のことを
「おいら」と呼んでいると聞ききます。また、ぼくは別にビートたけしさんのことも吉高由里子さんのこともひろゆきさんのことも全然嫌いじゃありません。でも、「おいら」だけはどうしても
苦手だったりするんです。
「苦手」の理由は判然としません。
関西人として、いかにも江戸風な(?)
べらんめえ口調っぽい(?)
…のが肌に合わないのかもしれません。
「下品」
「貧乏くさい」
…みたいなイメージがGジィさん脳を支配しているのかも…という推測も否定できません。しかも、これらが客観的な反論を持たない、単なるインネンでしかないことも、ちゃんと自覚しています。おそらく、
「生理的に苦手」
…としか表現できないほどに、「おいら」が
「第三者に与えるインパクト」
…が強烈なのでしょう。
星の数ほど実在する著名人のなかでも、
「おいら」を選択する者が
こうも稀だということは…現在の日本人の大半が
「おいら」負け
…してしまうことを直感的に認識しているからなのではないでしょうか?
「おいら」に勝てる人間がどのようなタイプなのかは見当もつきませんが(笑)、いずれにせよ、ここ“ハプバー”においても迂闊に使うべきではない破壊力を秘めていることだけはたしかであるようです?