Vol.579 続々々・注文の多いAV女優 - ハプニングバー

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ColumnGジィさんの独り言
 

Vol.579 続々々・注文の多いAV女優

ちょっとホラーな切ない、Gジィさんのむかしむかしの淡い

恋物語も…いよいよ最終回

 

つまらない話だけど…

最後までお付き合いのほど

ありがとうございましたm(__)m

 

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次の日、そのAV女優は完全オフだった。(※彼女はAV女優だけではなく、ソープ嬢も兼業していた)

 

結局、ぼくはといえば…どうしても

 

「一度はセックス

しないと気が済まない」

 

…ので、やはりこの日の仕事をすべてキャンセルし、

とことん彼女に付き合ってみることに、決めた。

 

だが、そのAV女優がしてくる注文は昨日と変わらず、

 

「ビデオ鑑賞会フェラ」

 

…のリフレイン…。そしてまた、

 

「量感覚の狂った

昼ご飯とお酒」

 

──息抜きをしようにも、部屋にある娯楽品は、

彼女本人のヌードが載っている

 

「グラビア系の男性誌」

 

…ばかり──ページを開けば、

 

「写りはどう?」

 

と、そのAV嬢は肩をよせてきて、お約束のごとく

 

「オナニー」

 

…を強要してきては、ストレートフォアローゼス

満たされたショットグラスを口へと運ぶ。たまにキスをして

きて、その唾液混じりの原液を艶かしく口移しされる。

 

「ゴメン!

急な仕事が

入っちゃって…」

 

夕方ごろ…とうとう根負けして、

 

「セックスする

気力も失せた」

 

…ぼくは「もう帰ろう!」と、そうお断りを入れる。

 

「え〜! 

今日はずっと一緒に

い(ら)れるって

言ったじゃ〜ん!!」

 

彼女の目から、大粒の涙がつたうのを見て取れた。

 

「わかった! 

ウソウソ!! 

帰らないから!!!

トマトジュース…

コンビニまで

買いに行くだけだし!」

 

…と、折衷案(?)を提言してみたものの、 

 

「ダメっ! 

トマトジュース買いに行って

そのまま帰るんでしょ?」

 

「トマトジュースは

アタシが買ってくるから!

じいクンは

部屋にいて!!」

 

そのAV嬢は、あきらかに逃走防止のため、ちゃっかりぼくのポルシェのキーを持って買い出しに出かけていった。

 

「こんなクレイジー

性格なのに…

なんでこういうところは

冷静なんだ!?」

 

ようやく「軟禁」という自分の置かれている状況を理解し出したぼくは、寒気を覚えずにいられない。

量感覚の狂った晩ご飯2本目のフォアローゼス

そして、アタシのブイの品評会フェラ

昨日と同じ夜

 

「デジャブー」

 

…のように再起動される。

 

その夜中…はじめてぼくとそのAV嬢はセックスをした。

不思議なことに勃起はした。

しかし、さすがに射精までには到れなかった。

 

朝の9時ごろ…やっとぼくは解放される。

 

「今日はソープ

シフトが入っているの」

 

…ということで、一緒に外出することができたのだ。

 

「出勤」30分前…そのAV嬢は寝ぼけ眼(まなこ)で

ベッドから這いあがろうとする間際、まだその横でふとんに潜っているぼくに、信じられない最後の注文を口にした。

 

「じいクンとアタシは

ず〜っと

プラトニック

いようね…」

 

酔っぱらいすぎてセックスしたことを忘れているのか、

それとも挿入はしても

 

「射精しなければ

プラトニック!」

 

という彼女特有貞操観念なのか? 

たぶん飲みすぎ

忘れてしまっているだけだろう。

 

なにかの小説にあったように、

太陽が本当に黄色かった

 

駐車料金は2万円近くになっている。お札も五百円玉も使えないタイプのコインパーキング(※もちろん当時はクレジットカードなんて絶対に使えなかった)。でも、ぼくは困らない

 

なぜなら、そのAV嬢は100円を五百枚以上、下駄箱の上に置いてあるお得用サイズのコーラーのペットボトル貯財しており、玄関で靴をはいているぼくに、そのうちの二百枚ほどコンビニのビニール袋に入れ、手渡してくれたのだ。

 

「じいクン…

今日の夜は車じゃなくて

電車で来てよね!」

 

その注文を聞き入れるだけの体力と気力と精力は…

すでに使い果たしていた。

 

「これからしばらく

大阪に出張だから

今日は無理かも…」

 

「(東京に)帰って来たら

すぐ連絡するね」

 

…と、をつく。

 

「ホント?

約束だよ!」

 

…と、何度もせがんでくる彼女と交わした

指切りげんまんの感触を小指に残しながら、

ぼくはパーキングメーターに30かけて

 

「百円玉を二百回」

 

…投入する。

 

(了)

 

※この物語の当時は「セクシー女優」という呼び名がまだなかったため、文中ではすべて「AV女優」に統一しています。