Vol.582 ハプバーでも見かける?「魚食(系)男子」
小学生のとき…月に一度の
「ビフテキ」
…が、すごくうれしかった…のを
今でも鮮明に覚えています。
Gジィさんがまだ幼なかった1970年代ごろ…「肉」は、
まごうことなきご馳走であり、なかでも
「牛肉」
…は「食卓の王様」でありました。(※なにかのお祝いは必ずすき焼きでしたし、牛肉至上主義的傾向はぼくが育った関西のほうが圧倒的に高いというデータもあります)。
ところが! 最近はどうでしょう!?
焼肉屋さんと値段もさして変わらないセレブリティな
「焼き鳥屋」
…が繁盛し、予算上の都合というよりは
栄養分だのカロリーだのを重視して、あえて
「豚しゃぶ」
…なんかをチョイスするのが主流となりつつあります。
「牛肉神話の崩壊」
──それどころか、
「今日は魚がいいよね」
…と小洒落た居酒屋や、カジュアルなケースだと
「美味しい!」と評判な行列のできる回転寿司屋とかで
「ヘルシーなデート」
…を満喫する…。
じつのところ、昨日・おとといと、スケジュールの都合で夜の食事を兼ねたミーティングが二日続き、そのどっちもがたまたま
「焼肉」でありました。
それなりの高級店ではあったものの…正直、
二日目はキツかった。次の日の朝は胃がもたれてしまい
「もう肉は食べたくない!」
…と思いました。
単に年齢のせいかもしれません。
しかしいっぽうで、我々日本人の味覚や嗜好が
「ギトギトの肉を
遠ざけて
はじめている」
…ような気もしなくはありません。
一般論として、日本に本格的な肉食文化が根づいたのは
明治時代からだと聞きます。
年数にすればたかだか200年足らず──一説では、
「我々日本人には
いまだ肉食という文化が
馴染みきっていない」
…とも言われています。
かといって…明治にいたるまでの日本人が、完全な
「草食=ベジタリアン」
…だったのかと言えば、そういうわけでもありません。
たしかに、仏教伝来以降、獣肉は敬遠されていたものの、
狩猟で得たイノシシや鹿などの肉は日本人にとって貴重な
タンパク質だったのは事実ですし、なにより
「魚を食べる知恵と工夫」
…は世界一クラスの洗練度を誇っています。
つまり、魚食メインの食生活が
「日本人本来の姿」
…であって、しかも昨今、我々の食生活のベクトルは
確実に「本来」へと回帰しているフシもあります。
だからこそ、メディア上でもさんざん使いたおされてきた
「肉食(系)or草食(系)」
…という「恋愛やセックスに対する執着度」に対する
「究極的な選択」
…に、どこか違和感を感じてならないのです。
「なんで中間に
魚食(系)が
ないのか!?」
江戸時代の開国とその後の明治維新によって、
無理矢理押しつけられた「肉食」という
「外来の価値観」
…を突っぱねきることができなかった日本人──
「積極性には欠けるが
強引にせまられたら
拒めない…」
…まさにセックスに関しても、ベジタリアンよりは、そういう感じの
「魚食(系)
男子と女子
(※とくに男子)」
…が増えている、というのが
ニッポンの正確な現状なのではないでしょうか?
ここ“ハプバー”でも年々よく
見かけるようになってきてますよね?
そーいうたぐいの
「優柔不断さ」
…を、むしろ口説き術として
有効活用しがちな男女って…???
『新語・流行語大賞』にでも
ノミネートされてくんないかなぁ?
「魚食(系)男子(&女子)」
…ってワードが…。
でも、たぶん無理と思います。
なぜなら、いつもちまたで定番化するのは
「肉or草」
…だとか…もしくは、
「ドSorドM」
…のような、白黒オンリーの
「二者択一で
興じるカードゲーム」
…ばかりなのですから! しゃあしゃあと
「グレーのカード」
…を切ったところで、
「ゲームを複雑にするだけの邪魔モノ」扱いされて、
「ルール違反!」
…のレッテルを張られるのが関の山…。
だけど、そんな単純明快で安易な
「二元論」
…が、人間の思考に必要な持久力を
静かに削ぎ落としているのも、
また間違いはないのです。
※ビフテキ:「ステーキ」より「ビフテキ」という響きのほうがご馳走感は満点! ちなみにGジィさんの小さいころは、(当時)鶏肉や豚肉より安かったクジラの肉を、「色が赤い」という理由だけで、「今日の晩ご飯はビフテキやで〜!」と、よく母に言い聞かされて(=ダマされて?)いた。