Vol.601 物議を醸す? 奔放すぎるギャルマインド
数年ほど前の話なんですけど…
とあるヤング女子と、
とあるきっかけを経て…とある
「焼肉屋」
…に行ったことがあります。
30歳以上もの年の差の…周囲から見たら
「援交」
──今風の言葉を使えば、
「パパ活」
…とも見誤られかねない
「ギンギラのギャル」
…でした。
恵比寿横丁で男友だち数人と飲んでいるとき…
となりで飲んでいたギャル3人組と
たまたま会話が盛り上がり、
その勢いで連絡先を交換し…
ぼくがもっともタイプだった一人を
引っ剥がし…後日、
LINEで食事に誘ってみたのであります。
ラッキーなことに、いともあっさりと
「OK!」
…の返事をいただき、その三日後──
渋谷のハチ公前で待ち合わせました。
そして…30分近く待たされはしたものの、
彼女はきちんとやって来たのです。
「なに食べたい?」
再会してすぐ、こう尋ねると彼女は、
「焼肉食べた〜い!」
…と、即答してくる…。
「了解!
じゃあ叙々苑とか?」
…と、とりあえずはもっとも無難…
だとぼくが思い当たった候補店を提案し…
「相手の出方」をうかがう作戦を取ることにしました。
すると! 予想以上の
「ハイテンションな
リアクション」
…が返ってきたのです。
「えーマジ!?
叙々苑なんて
一回しか行ったこと
ないんですけどぉ〜!
普段は
牛角とかばっかだしぃ〜!!」
見た目に反して、
「年相応の経済観念を
持ったイイ子だなぁ」
…だと好感度はグンとアップします。また、そうなれば
「もうチョッピリ
喜んでもらいたいなぁ!」
…みたいな見栄がもたげてしまうのが、
「おっさんの
ピュアで悲しい性」
…なんであります。
「だったら、
今日はフンパツして
叙々苑より
ワンランク上の
系列店に行ってみよっか?」
…と、ぼくは即行でタクシーを拾い、西麻布の
『游玄亭(ゆうげんてい)』
…へと向かったのでありました。
奇をてらったメニューに頼らない、素材に重きを置いた、一般的には高級店に属する正統派の焼肉屋──
店内は満席とまではいかないけれど、ほぼ8割くらいは席が埋まっていました。
「焼肉を拒まない女は
エッチも拒まない!」
…などといった、
もはや化石化した恋愛マニュアルを
いまだ盲目的に信じている世代ゆえ(笑)…
少なからずぼくの心は高揚しています。
ところが…!!!?
「今日…
ずっと歩きっぱ
だったんで〜
足がチョー
疲れたんですけどー!」
…と、その彼女は『游玄亭』に入るなり、
普通のテーブル席なのにロングブーツを脱ぎ、
二本の生脚をベンチ状の椅子に乗せて折りたたむ…。
「ややくつろぎすぎ
…なのでは!?」
…と、内心では動揺しつつも、
禿げかけた赤いペディキュアがなまめかしく…
ぼくは少なからず欲情してしまう…。
眼底が熱くなるのを抑えようと、
「牛肉のユッケ」
…のヌメっとした冷たい感触を
舌にのせてはみたものの…
「逆効果」
…でしかありませんでした…。
だがしかし! 次に彼女が取った行動に、
ぼくは込み上げていた熱量の、
(残りの)すべてを失うことになります。
「おしぼり…
もっとくださーい!」
不躾(ぶしつけ)にボーイさんを呼びつけ、
おしぼりを大量キープした彼女は…
事もあろうに、それらで
「足を拭きはじめた」
…のです! それも膝の裏から足の裏までを丹念に…。
「若者の傍若無人な態度」
…には寛容なほうだと自負するGジィさんですら…
さすがに恥ずかしくてしょうがありません。
場所柄、同業者も多く利用する店であります。
「どうか知り合いが
いませんように…」
…と、真剣に周囲を見渡してしまうぼく──
あのとき、ぼくは彼女に嫌われるのを覚悟で
「最低限のマナーは
やっぱ守るべき…
なんじゃないかなぁ?」
…と、注意を促すべきだったのでしょうか? それとも
「この程度で
へこたれてるようじゃ
ギャルと付き合う
資格なんて
ありませんよー!」
…と、泰然たる態度でかまえているべきだったのか?
以上、『游玄亭』で起きた…
Gジィさんのモラル観を揺るがす
小さな事件でありました。
ただ、ここ“ハプバー”にかぎれば…
別室に移動する際は、男女問わず
全身をくまなくシャワーで
ピカピカにしてもらいたいものであります。
だって…
「足が臭い」
…のって、絶対にイヤですから…ね???