Vol.621 走れGジィさん Again!(後編) - ハプニングバー

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ColumnGジィさんの独り言
 

Vol.621 走れGジィさん Again!(後編)

(※前編から続く)

 

後輩の家へと向かう一本道は、

まがいなりにも

 

「都会の住宅地」

 

…ゆえ、まばらとはいえ、

帰宅途中である何人かの人が歩いています。

 

ネギ畑のなかで、

じっとしゃがみながらぼくは、

 

「ネギだ!

ネギになるんだ!!

 

…と自分に念じながら、

人通りが途切れるのをやり過ごす…。

 

10ほどウ◯チ座りのまんま、

ようやく人の気配

無くなったのを確認してから、

今度はパンツとズボンの状態を、

中腰になって確認する。

幸いなことに(?)、

 

「ズボンにまで

被害は及んでいない」

 

…様子でした。でも、トランクス

相当ヤバことになっています。

 

ズボンパンツがくっつかないよう、

注意深く一枚一枚…中腰の状態を崩さず

 

「コサックダンス」

 

…の要領で、ゆっくり脱いでいく…。

 

ここで誰か

発見されたら

シャレにならない!

 

…と、前方に目をやり、用心を強める。

夜中、ネギ畑

 

「下半身すっぽんぽん」

 

…でしゃがみ込んでいる男は


「変質者」

 

…以外の何者でもありません。

 

尻を拭こうとするが、

ティッシュがなかったので

トランクスで拭きました。

 

「糞まみれに

なったトランクス」

 

…は、やむを得ず放置しておくことにする。

 

「ノーパンズボン」

 

…で駅まで戻り、

駅前のローソンで新しいパンツを買いました。

そして、駅中のトイレを借りて履き替える──

残り香チェック大丈夫…だったので、

あらためて後輩の家へと向かう…。

さっきのネギ畑に近づくにつれ、やるせない

 

「罪悪感」

 

…に、ぼくは襲われます。

畑の前で手を合わせ、

 

「肥やしになるから

すいません…」

 

…と、明らかに日本語としてはおかしい

懺悔を唱え、ぺこりと頭を下げる……。

 

後輩に、さりげなく

 

「今度はお漏らし

しませんでしたか?」

 

…と、ひっそり耳打ちされながらも、

パーティーは朝までおおいに盛り上がり、

後輩宅のソファの上で目を覚ましたときは、

すでに正午を過ぎていた。

 

〆切りのせまった原稿があったので、

まだ寝ているメンバーたちを起こさぬよう、

そっと家を出ます。

仕事をするにはもったいないほどの晴天でした。

 

「そーいえば、

ネギ畑でウ◯チ

していたときも、

空を見上げれば

星がいっぱいだったなぁ…」

 

夜は暗くて気がつかなかったのだけれど、

整備された公園や、大きな庭を構えるお屋敷や…

都心から私鉄で15分そこそこ

地の利とは思えないほどがいっぱいで、

空気も心なしか、美味しい。

 

「約12時間前の

忌まわしい記憶」

 

…もすっかり薄れ、清々(すがすが)しさに

浸りながら散歩気分を楽しんでいると…

昨晩のネギ畑が目に入り、

妙な違和感をおぼえる…。

 

ネギの群列のなかに、

段ボールで作られた

一本の立て札が立っていました。

ちょうどぼくがウ◯チをしたあたりの場所であります。

 

その立て札には、

 

「ココ

大便した人間

地獄堕ちろ

 

…と、書いてありました。

 

「おちろ」「お」難読漢字「堕」で、

「人間」という二文字の上には、

それを強調するための傍点が付いていました。

 

恥ずかしさのあまり、

顔面からが吹き出てきたのは

申すまでもありません。

 

以降、ぼくは

 

「天国に行けない人間」

 

…のレッテルに悩み、

時々もがき苦しんでいるのです。

ホンの数年前にしでかした、

本当の話でありました。

 

【後日談】

その数日後、後輩から「まさかあの立て札…Gジィさんじゃないっすよね!?」と、わざわざ電話で、わりと真剣に問い詰められました。もちろんのこと、「立て札ってなんのこと?」としらばっくれ、後輩から一通りの説明を受けたあとは「そんなはずねーだろ!」と、とりあえずは逆ギレしておきました(笑)。