Vol.9 元カリスマ女王様からご拝聴した「M男さん名言集」(前編)
日本には「ビクトリア女王」や「フィギュアスケート界の女王」とは、また少々意を異にした「職業女王様」が存在します。
M(マゾ)気質の強い(おもに)男性顧客を縛ったりシバいたり詰ったり放置したりする行為によって報酬を得る仕事に就く女性のことです。
そして、その特殊で強固な関係性から絶え間なく生まれる、さまざまな物語──
今日は、ぼくがかつてのカリスマ女王様から伺った、このままでは埋もれていくに違いない、筋金入りのM男さんたちが残した名言の数々を紹介しましょう。
【名言1】 こんな身体になった自分がいいんです。不自由な生活を日々満喫しております。
あまりにハードなプレイを長年享受し続けてしまったがゆえ、紙おむつなしでは外出すらできなくなった(当時)還暦のM男さんに、女王様が「後悔してないの?」と訊ねたときのお言葉。SMとは単なる“プレイ”ではなく、深遠なる“観念”なのです。
【名言2】 逆さ吊りは65才まで!
SMプレイでの大技中の大技である「逆さ吊り」を断腸の想いで、その5年前にNGとした(当時)70歳のジェントルM男さんのお言葉。本当は「逆さ吊りで死ねたら本望」との葛藤もあるようですが、実際死んでしまったら女王様が殺人罪に問われてしまいかねないので…というのがNGの理由なのだそう?
【名言3】 蹴られたり殴られたり鞭打たれてるので、身体は丈夫ですが、乳首だけは弱いんです…
「乳首に洗濯ばさみ」といった一昔前のコントのようなプレイを女王様から強いられたときに(当時)50代前半のM男さんが思わず発してしまったお言葉。本心では乳首を責められ、嬉しくてしょうがないのは申すまでもありません。
【名言4】 普段は普通の生活を送っていますが、やはり、どうしようもないマゾです。
プレイ後のピロートークで、ふと定年を迎えたばかりの(当時)60歳のM男さんが、ふとつぶやいたお言葉。SMとはやはり“プレイ”ではなく、日常生活でもまろび出てしまう本能的な“性癖”なのだということを、あらためて知らしめさせられる金言であります。