Vol.144 「種存本能」という便利な言葉(前編)
皆さまは「種存本能」という言葉をご存知でしょうか?
『goo辞書』には、
種存本能=種族保存本能。
生物が自己の種族を存続させようとする
行動または原動力となるもの
…とありました。身近な例では
「男性(=オス)は徹夜明けなどで生命力が弱っているとき、種を存続させる(本能の)ためにペニスが勃起する(=疲れマラ)。対して女性(=メス)は種を存続させるために万全の体調で男性(オス)を受け入れたい(という本能)から徹夜明けなどで生命力が弱っているときは、性欲も比例して減退する」
…みたいな感じのやつです。
そして、まもなく還暦を迎えるぼくは、50歳を越えたあたりから
めっきりモテなくなりました。40歳を超えたあたりでも「30代と比べたら…」といった一種の喪失感を抱きはした──けれど、そのギャップの開きは40歳のときとは雲泥の差で大きいように思います。
とにかく「セックスまで持ち込める確率」がぐんと減ってしまったんですよ〜!
最近は、お酒を飲めば午前0時を過ぎると途端に眠くなって、
「エッチより睡眠」の意識が勝り、「口説く」という行為を途中放棄せざるを得なくなることも、しばしあります。
体力と根気が衰えてきたんでしょうね。でも、筋肉は野球やテニスでそこそこ鍛えているし、髪の毛も一応まだ残ってるし、多少酔ってもまだまだビンビンだし…。つまり、加齢による見た目や下半身機能低下のコンプレックスが、“攻めの姿勢”にブレーキをかけることも、現時点ではほとんどないわけです。なのに、どうして……?
やはり、「種存本能」の一環として、
メスは若いオスからタネを
植えられたい性質がある
──そういったようなことなのかしら…?
…なんてことを、友人の脳神経外科医と話していると、
「人間も動物なわけですし、また、我々動物が生きていくためには、種の保存が第一目的となるため、生殖能力が大きなポイントとなるのは間違いない。
だけど、ここまで複雑に進化した人類を、なんでもかんでも『種存本能』の一言で片づけるのはズルイですよ」
…と、軽く叱咤されてしまいました。一体、これはどういった理屈からなる提言なのでしょうか?
たしかに「種存本能」とは、自分に起きた(おもに性的な)フィジカル現象の大半と非モテとの紐付けを自己納得させるのに、とても
便利なワードではあります。ただ、便利すぎるがゆえ、我々は“それ”に甘えすぎてしまっているのかも…??? そういったことを「後編」では、より詳しく述べてみることにしましょう。
(※次回に続く)