Vol.280 「オタク」について
男女問わず、「好きな異性のタイプは?」と問われたら、
「オタクなヒトが好き」
……と答えるヒトが、たまにいます。
「オタクっぽいヒト」ではありません。あくまで「オタクなヒト」であります。念の為。
しかし、そんな風な嗜好性を自己申告するヒトは、どうやら
「オタクなヒトだったら
どんな系統のオタクでもOK!」
…だともかぎらないようです。たとえば、こんなことがありました。
ある身長180センチ超えのイケメン・Tくんは一流の企業に務めるハイスペック男子──もちろん、女子にもモテモテで合コンに行けば、参加している女子のほとんどをいつもかっさらっていく。ただ、その日の合コンには一人、なかなかに手強い女子がいました。
「オタクな男の人が好き」
…と公言し、一見オタクからはもっとも程遠いTくんには目もくれない。あまり、そのような扱いを受けた経験がないのでしょう。
プライドをかけて(なのか)Tくんは猛然とそのオタク好きな女子にアタックをかけるも、状況はいっこうに好転しない…。そこでTくんは彼女にこうアピールします。
「オレもオタクだし!
野球オタク!!」
たしかにTくんの野球に関する知見は趣味の域を超えた尋常の無さで、その豊富な知識を自身の草野球のパフォーマンスにも十二分に活かし、30代半ばにして日々スキルアップしています。が、彼女のリアクションは相も変わらずの冷淡さで、結局Tくんは彼女を諦め、別の女子をお持ち帰りしました…とさ。
いったい「野球オタク」のなにがいけなかったのか?
おそらく…ではありますけど、「野球」といったメジャー中のメジャーに該当する分野がいけなかったのでは…とぼくはにらんでいます。そもそも「スポーツ」自体がオタク検定からは外されてしまうのかもしれません。百歩譲って「鑑賞」オンリーなら可? だから、もし
「相撲」だとか「フィギュアスケート」だとかなら、
ギリセーだった可能性もなくはありません。
かといって、「オタク」というワードから一般的にもっともイメージしやすい「アニメ」「アイドル」あたりが「オタク好き」を自称するこの彼女の琴線を揺さぶるとも考えづらい。やはり「オタク界」のなかでこれらはメジャー中のメジャーだからです。
「分野のマニアック性」
…こそが「オタクなヒトが好き」なヒトにとっては、重要なポイントとなるのではないでしょうか? とどのつまりが、そういうことを言うヒトたちは、より正確な表現をすれば、
「マイナーな分野に
目をつける特異なセンスと
それをとことんまで
突き詰める忍耐強さの持ち主」
…が好きなのです。
早い話が
「天邪鬼な性格のちょっと変わり者」
…が好物? 個人的には「物事をとことんまで突き詰める忍耐強さ」
だけでも、まごうことなく賞賛に値する才能だとは思うのですが…。
ちなみに、ぼくは下ネタの場やここ“ハプバー”において、よく
「ボクってセックスオタクだから!」
…みたいな自慢をして、それをツカミとするワザを好んで使うのですが、コレは「オタク好きな女性」からは、
はたしてどうジャッジされるのでしょう(笑)?