Vol.592 しょぼい「シモの法則」をしたり顔で語るおじさん
「脚を頻繁に組み替える女は欲求不満!」
「唇のかたちは女性器のかたちと比例する!」
「酒を飲むと、すぐ顔が赤くなる女はシモの感度もいい!」
「足首の締まっている女は、アソコの締まりもいい!」
「ほっぺたが赤い女は、アソコが臭い!」
「背の高い女は、意外とドM!」
「(したがって)背の高い女はスパンキング好き!」
「コーヒーを飲む女はタバコも吸う!」
「タバコを吸う女は貞操観念が薄い!」
「(したがって)コーヒーを飲む女はヤ◯マン!」
飲みの席などで…またはここ“ハプバー”で…でも、
こういうようなことをしたり顔で断言してやまない
おじさんは、コンプライアンスに敏感な(過敏な?)今の時代でも、間違いなく実在します。
おじさんだけじゃなく…
若い男性にだっていなくもない。
まったく根拠に欠けたたぐいのモノから…ほんのちょっとだけは学術的な裏付けなり統計学な背景なりに
基づいているような気がしないでもないたぐいのモノまで…
まさにさまざま…。
だが、いずれにせよ…ぼくは
「唇は薄いけどアソコはビラビラ」な女性とも、
「一滴の酒で顔が赤くなるのにエッチではマグロ」な女性とも、
「足首は締まっているのにガバ」な女性とも、
「ほっぺたが赤いのにアソコは全然無臭」な女性とも、
「身長174㎝でスパンキングされたら激怒する」女性とも、
「コーヒーは飲むけどタバコは吸わない」女性とも…
ベッドを共にした経験があります。
「例外もある!」
…ってよりは、むしろ
「例外がほとんど!」
…ってところでしょうか。
ただ、ぼくは、おじさん
(※時にはヤングマン)の、そんな
「乱暴で屈強な思い込み」
…を咎(とが)めようとは思いません。当たり前の話、
「思い込むのは勝手」
…だからです。そして、乏しすぎる実体験や
又聞きだけに頼った、その手の愚直な博学を聞くのが、ぼくはけっこう嫌いじゃありません。
無神経かつ無防備であるがゆえに
「玉石混交」
──そう! なんの疑念も障害もなく最短距離で
たどり着いたこの手のロジックは…
時おり真理を突いていることもあるからです。
そう言えば…冒頭に挙げた「10の法則」のうち、
3つくらいを淀みなく公言していた、とある知り合いの
おじさん(「おじさん」とは申しても、ぼくより10歳以上は年下なんですけどw)は…こうも述べておりました。
「そもそも
モテる必要なんて
ないんですよ!」
(少なくとも)外見的には「モテ」とは縁遠いタイプの
おじさんだったので、おそらく…単なる
「自己完結的な弁明」
…だろう…と高を括り、
すっかりスルーしかけておりました。
「だって、モテることによって、派生してくるわずらわしさって、間違いなくあるじゃないですか。男同士の付き合いが疎かになったり、つじつま合わせに面倒くさい裏工作をしたり、だとか…」
案の定、Gジィさん的には肩すかし状態の
凡庸な理由でしかありませんでした。けれど、
「そもそもモテる
必要なんてない!」
…という提言自体には、なにか途方もない
未来性を感じてやまなかったのです。
「そもそもモテる
必要なんてない!」
──決して大袈裟ではなく、
「モテることの完全放棄」
…とは、人類…はおろか、
途方もなく長い年月をかけて培われてきた
「全有機物の生態系」
…までをも揺るがしかねない、
エポックメイキングな概念
…なのかもしれません…よね???