Vol.606 ハプバーでも応用可能(?)な村上春樹センセイの読書術
けっこう前の話なんですけど、作家の村上春樹さんが
ディスクジョッキーを務めるラジオ音楽番組
『村上RADIO』
(※↑「RADIO」は「レディオ」と読む)
…で、リスナーさんから、こんな質問が届いておりした。
「読書をする際に、自分の好みでない文章や内容の作品だと感じたら、途中でやめてしまいますか? それとも、なるべく最後まで読むようにしていますか?」
そして、コレに対する村上DJの答えは、
以下のとおりでありました。
昔はけっこう我慢して読んでいましたが、最近はつまらない、あるいは自分の好みに合わないと思うと、途中でやめてしまうことが多いですね。時間がもったいないし、目も疲れるし。若い頃、とくに10代の頃は、時間なんていくらでもあったし、目は大丈夫だったし、本なんていくらでも読めたんですけど、年齢を重ねるとなかなかそうもいきません。
だから昔読んで「よかった」「面白かった」と思った本を読み返すことがどうしても多くなります。そうすればがっかりすることも少なくなりますしね。
ふ〜〜〜〜む…さすが『村上RADIO』!
リスナーさんから寄せられる投稿までもが美しい文体で
(※村上センセイがそう修正しているのかもしれませんがw?)、
品が良い──しかも、御大のリアクションがとても気になる、
じつにナイスな質問でもあります。
さっそく、その回答を
Gジィさんと照らし合わせてみれば…
おおよそだと
「後半はほぼ一緒?
でも前半がやや違う」
…って感じでした。
まず、後半の「一緒」な箇所から!
ぼくも昔から「次々と新しい書物を読み漁る」のではなく、
「気に入った書物を
何度も読み返す」
…タイプでした。漫画も含めば
「50回くらい読んだ作品」
…もあります。当然、表紙もボロボロで、
何ページかは千切れてしまい…
セロファンテープで補正しているものも
ざらにあったりします。
ぼくは本来頭が悪いのか、どうも
「一冊の書物から
得られる情報量が
乏しい人間」
…であるようです。だから何度も何度も読み返す──
なので、この半生で読んできた書物数は…
たぶんプロのライターさんとかと比べたら
圧倒的に少ないと思う。ただ、その
「執拗なまでに
繰り返して
読んだ一冊」
…から得た情報は、実体験に近いほどの深度がある…
とも思うんです。まさに、
「一長一短」
…といったところでしょう。
次に、前半の「やや違う」箇所!
やはり、昔からぼくは
「つまらない、あるいは自分の好みに合わないと思った作品でも
けっこう我慢して読む」
…タイプでありましたが、
今でもその読書傾向はそう変わりません。
根が貧乏性だったりするせいなのか…
一度手に入れた書物はどんなにつらくても、
最後まで読み切ってしまわないと、
気が済まないのです。
たしかに「時間はもったいない」し、
最近は「目も疲れて」きます。
「無駄な負けず嫌い」
…以外の何物でもありません。
さらには、「つまらない」と
感じる作品と出会ってしまったときの
「読書という名の苦行」
…が怖くて、なかなか新しい書物に手が出せない…
という弊害も出てきます。
が、村上センセイがそうならば…
ぼくもつまらないと感じた作品は…
今度から勇気を持って
「強制終了」
…しちゃおうと思います。
もちろん、ここ“ハプバー”でも、
カウンター席でたまたまとなり合わせた
女性との会話があんまし盛り上がらなかったりしたら…
(できるかぎり相手の気分を害さない気配りは忘れずに)
これからはとっとと別席へと移動する覚悟でございます。
オーナーのマツさん…
それでいいんですよね(笑)???