Vol.620 走れGジィさん Again!(前編)
いつしかの夜──ある友人の家へ
遊びに行ったときの話です。
ちなみに、その
「ある友人」
…とは、ここ『アグリーアブル』のブログに、
ぼくが寄稿しているコラムの「vol..597」に登場した、
例の男子──
「Gジィさんが
漏らしたウ◯チを
自宅の風呂で
処理させられた
後輩クン」
…のことであります(笑)。
その日は、ちょっとした
「宅飲みパーティ」
…があるということで、
ぼくは彼のアパートに急いで向かっていました。
そして、この日──ぼくは別の飲み会にも
顔を出してきたあとで、
最寄りの駅に着いたころには、
すでに午後の11時を過ぎておりました。
(「vol.597」のコラムでも語ったとおり)後輩の家は
駅から延びる真っすぐの道沿いにあって…
わかりやすくはあるものの、
徒歩だと15分はかかってしまう、
距離的には微妙な場所でした。
(やはり?)最終のバスがなくなったのか、
駅前ロータリーのタクシー乗り場には
長い行列ができています。
「酔い醒ましに
ちょうどいいか…」
…と、(やはり?)歩いて行くことにしました。
しかし、まもなくこの安易な選択を
ぼくは再び後悔することになるのです。
駅を離れて8分くらい経ったあたりでしょうか──
ぼくは急激に、
のっぴきならない便意をもよおしはじめました。
「駅に戻ってするべきか、
友人の家まで行って
させてもらうべきか?」
…じつに判断を迷う地点であります。
周囲にコンビニなどは見当たりません。
10歩進んで、
「やっぱ駅前に戻ろう!」
…という結論に至りました。
万一またお漏らししてしまった場合でも、
「目撃者(鼻撃者?)は
宅飲みパーティに参加している
知り合いより、
見知らぬ人のほうがマシ?」
…と考えたからです。あと、なによりも
「これ以上、後輩に
同じ迷惑をかけるのが
あまりにしのびない」
…ってのも大きかった。
方向転換…と、ほぼ同時に
「プヒ!」
…と尻が絶望の音を鳴らす…。
アナルの周辺は、あきらかにウエット──
前の飲み会はまた焼肉だった…。
ぼくは肉にあまり火を通さず、
ほとんど生焼けの状態で口に運んでしまう。
マッコリも、しこたま飲んでしまう──
だから、ぼくは焼肉屋に行けば…
決まって腹がゆるくなる…。
1分もしないうちに
「もう駅までは持たない…」
…と観念した。
まわりを見渡してみると、うしろの方向──
つまり後輩の家がある方向に
「小さなネギ畑」
…がありました。23区内とはいえ、
まだ田園風景の長閑(のどか)さを
残した地域です。
「凝視しなければ
人がいても気がつかない?」
…かもしれないぐらいには、暗い。
「肛門を
引き締めた
つま先走り」
…で、ぼくはそのネギ畑に近づき、
申し訳程度にかかった防犯ネットをくぐって
「不法侵入」
…し、震える手でズボンとパンツを下ろして、
規則正しく整列したネギに
同化するかのようにしゃがみ込み、
一気に用を済まします。
「ほ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ…」
…と、つく長い一息は、
まるで身体中の毛穴から染み出るかのよう…。
ただ、問題はむしろここからだったのです。
(※後編へ続く)