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Vol.61 男の坊主頭について

とある写真週刊誌によると、とある夕刻、都内のジム前で出くわした歌舞伎役者の市川海老蔵さん(43)のヘアスタイルが、トレードマークの“坊主頭”から“短髪”へと変わっていたそうです。

 

サングラス姿で無精髭もたくわえ、持っているタブレットには、ヤンチャ系デザインがITエンジニアのあいだで流行っているという『B-SIDE LABEL』のステッカー──その風貌は、まるで在りし日(?)の“ちょいワルおやじ”のようだった……と、取材にあたった記者さんは語っております。

 

海老蔵さん本人も自身のYouTubeで告知しているとおり、どうやら今は、

 

「3ヶ月かけて髪を伸ばすミッションの真っ最中」

 

…らしく、同誌の取材に応じていた某テレビ局関係者は

 

「(本来は)髪の4割近くが白髪なので、伸ばすと目立ってイヤだから丸坊主にしていたんだとか。ただ、それも飽きたんでしょうね」

 

…とコメントしていますが、それを聞いてぼくは「なるほど! 彼の頑なまでの丸坊主にはそんな事情があったのか!?」と、数ある“芸能界トリビア”のうちの一つがすっと氷解した爽快な気分なのでありました。

 

これはここでもすでにしつこく書きましたけど、たとえば我々50代の、まだ比較的髪が残っている男性の多くのヘアスタイルは「出川哲郎化」してくる傾向が強くなります。

 

頭部の側面と背面を大胆に刈り上げ、頭頂部のみ髪を立たせることができる程度の短さに残しておく、大きく解釈すれば「ソフトモヒカン」にカテゴライズされますが、我々は出川スタイルを“チョイス”しているわけでは断じてなく、ぶっちゃけこの髪型しかできないのです。とくに、側面部の髪を伸ばしっぱなしにすると、白髪が悪目立ちしてしまい、下手すりゃ10歳くらい老けて見えてしまう。ロマンスグレーなんてカッコイイ感じにはまずならない。陰毛チックなチョロ白髪がだらしなく、制御不能なかたちで生え散らかるだけなので、マメなカットが必須となってくるわけです。

 

いつも私の髪をカットしてくださっている美容師さんから、

 

「海老蔵さんの丸坊主は単にバリカンで刈り上げているのではなく、頭の骨格に合わせた緻密な計算のもとに、丁寧な“プロの仕事”が施されている」

 

…と聞いたことがあります。さらには

 

「最低でも2週間に一度くらいのペースで美容室に通わなければ、あの坊主頭はキープできない」

 

…ともおっしゃっていました。

 

「卵型の楕円を縦に描いて、その頭頂部にゴマのような点点を加え、あとは小ぶりな眉毛と眼と鼻と口を添えればいいだけ」

 

…という、もはや記号化された、もっとも似顔絵が描きやすい芸能人の一人であった海老蔵さんが、「マメなカット」に疲れ果ててしまったのか、とうとうその「トレードマーク」を捨て、「4割近くの白髪」を晒してでも髪を伸ばす決断を…!?

 

ところが、前出の「某テレビ局関係者」によれば、

 

「8月まで髪を伸ばしてから、染める計画のようです」

 

…とのこと。「ポジティブエイジング」を宣言するのに、43歳の実年齢はいささか若すぎるのかもしれません。

 

男の坊主頭がもっとも手っ取り早い「アンチエイジング」の手段の一つであることに間違いはありませんが、もし本格的にやるならば、やはりそれなりの手間ヒマとお金、加えて坊主頭に耐えうるだけの美しい頭蓋骨が必要…ということです。