Vol.531 ハプバーでの「〜させていただく」は文法的に正か誤か? - ハプニングバー

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ColumnGジィさんの独り言
 

Vol.531 ハプバーでの「〜させていただく」は文法的に正か誤か?

「〜させてもらう」

 

…という、我々日本人にとっては、

非常に馴染み深い謙譲語があります。

 

本来は、

 

・相手または第三者の許可を得ているかどうか

・そのことで自分自身が恩恵を受けるかどうか

 

…の2つの条件を満たす場合に使用するのが

正しいとされております。

 

ところが! 昨今はビジネスシーンからプライベートに及ぶまで、

この「〜させてもらう」

ブラッシュアップ(?)した

 

「〜させていただく」

 

…を、過剰な敬語になることも厭わず、乱発する若者が急増中…であるような気がしてなりません。とりあえずは、その「誤用例」以下にいくつか記してみましょう。

 

【誤用例】

・このたび司会を務めさせていただく◯◯と申します。(※結婚式にて)→(正)司会を務める

 

・ワタシ△△は来年3月でAKB 48を卒業させていただきます。→(正)卒業します

 

・××さんとは半年ほど前からお付き合いさせていただいてます。(※熱愛が発覚した芸能人の記者会見にて)→(正)お付き合いしています。

 

・朝から熱が38度あるため今日は欠勤させていただきます。→(正)欠勤します・欠勤いたします(※病気になってしまったら、会社の許可云々以前に欠勤せざるを得ないため、ここまでへりくだる必要はない…という解釈)

 

先ほどは「乱発する若者が急増中」と書きましたが、実際には

「若者」どころか「イイ大人」──しかも

 

「言葉のプロであるはずの

政治家やアナウンサーまでもが、

誤用している」

 

…ケースも、けっこうな頻度で見られたりします。

 

【誤用例】

・〜党代表を務めさせていただいております◯◯と申します。(※某選挙演説にて)→(正)代表を務める

 

・質問させていただきます。(※某国会答弁にて)→

(正)質問します。

 

・この事業は中止とさせていただきます。(※某大臣の記者会見にて)→(正)中止といたします。

 

・それではいただかさせていただきます。(※局アナが出演する某料理番組にて)→(正)いただきます。

 

・いまから召し上がらさせていただきます。(※局アナが出演する某ニュース番組の食ルポにて。もはや日本語としてもおかしいw)→(正)遠慮なく頂戴します。

 

ただ、1ヶ月くらい前にもここで書いた

 

「彼女さん」

(↑過剰な「さん」付け)

 

…同様、(※vol.507参照)

 

「とりあえず、言葉を“より”丁寧にしとけば、上下が発生したり浅かったりする人間関係も円滑になるし、人様からお叱りを受けることもない…んじゃないかしら?」

 

…といったディフェンシブなメンタル作用が

おのずとはたらき、つい

 

「二重にも三重にも

丁寧語を

重ねてしまう」

 

…その心情は理解できなくもありません。(※ちなみに、「誤用」として前記した「司会を務めさせていただく」は「プレゼンテーションの聴き手を最大限に尊重するための表現」として許容される場合もある…らしいです)

 

いったい、いつの間に日本人はこうも

ビビりになってしまったのでしょう? 

 

ぼくは、おおよそには次に挙げる3つの理由があるのでは…

と、推測しています。

 

(1)たとえば、「朝から熱が38度あるため今日は欠勤します」との報告を受ける側が正しい使用法を知らず、「病欠するくせにつっけんどんなヤツだな! せめて『病欠させていただきます』くらい言えねえのかよ!!」と、的外れな怒りを買ってしまう危険性もなくはないから。(※←より「『させていただく』の使い方、間違ってるぞ!」と叱られる可能性のほうが低そうだから)

 

(2)メールやLINEほか、現代人は文章を書く機会が圧倒的に増えているため(=文章のやりとりがスピード重視なチャット調になっているため)、逆にチェック能力が衰えてきている。

 

(3)インターネット社会やコロナ禍における、リアルな対面型コミュニケーションの希薄化によって、当たり障りのない会話口調が好まれるようになってきた

 

Gジィさん個人としては、これはもう抗うことができない、ある種の「トレンド」みたいなものだと諦めて(?)います。

 

なので、たとえば…ここ“ハプバー”で貴男がそれなりに

意気投合した女性に対して

 

「今からもっと

濃密なことを

させてもらっていいですか?」

 

…ではなく、

 

「今からもっと

濃密なことを

させていただいていいですか?」

 

…と、懇願するのは、文法上だと適切ではなくとも、

 

「相手への

最大限のリスペクト」

 

…という観点で、マナー上ではあながち間違っちゃいないのかもしれません。もちろん、

 

「やってあげる!」

 

…みたいなオラオラ系マウンティングスタイルに、つい股間を刺激されてしまうタイプの女性(あるいは男性)も、少なからず実在はするのですが…

そこはまあケースバイケースってことで(笑)。

 

とは言え…せめて政治家アナウンサー文筆業といった

 

「言葉を操る職」

 

…に就く者たちだけは、その誤ちを正す役割を担うためにも、ただやみくもな丁寧語をしゃべり散らかしたり書き散らすだけではなく、自身の「普段の仕事」に対する校正作業

怠らないように

 

「させていただかねば」

 

…ならないのではないでしょうか???

 

めっちゃおカタい結論にはなってしまったのですが…(笑)。