Vol.581 鯉と恋
「鯉(こい)」
──言わずとも知れた、観賞用にもなって食用にもなる
淡水魚のことであります。
そして、つい先日…少々旬を外した感は否めませんが、
「近大マグロ」
…を食(しょく)しに、コロナ禍以前くらいから
「アダルトな男女の社交場」(=ぶっちゃけてしまえば「狩場」?)としてフィーチャーされつつある、
銀座コリドー街にある
『近畿大学 水産研究所』
…へと行ってきたのですが、そこでナゼか──当店の名物であるはずの(※いい意味でも悪い意味でも養殖魚的な脂の乗り具合だったけどw、とても美味しくいただきました!)マグロだとかブリだとかの海水養殖魚ではなく、「鯉」の話題で盛り上がってしまったわけであります。そのおおよその内容は、以下のようなものでありました。
男性友人A:鯉って美味しいよね?
Gジィさん:「洗い」とか「鯉こく」とかにして食べるよね?
アレ(=鯉)って…「塩焼き」では食えないんだっけ?
男性友人B:う〜ん…あんまし(焼いて食べる)イメージはないなぁ。わりとクセのある魚だからねぇ。
Gジィさん:そう? むしろ淡泊だと思うけど???
女性友人C子:川魚全般に言えてるけど、海の魚にはない独特の泥臭さがあるでしょ? とくに鯉は!
Gジィさん:なるほどぉ〜。かもね…?
男性友人A:あと、「鯉こく」は小骨も多くて、
食べるの面倒くさいし…。
男性友人B:そうそう!
Gジィさん:結局、みんな…
あんまし好きじゃないってこと?
女性友人C子:いや、そこが逆にたまらないのよ!
泥臭くて面倒くさい…まるで「恋」みたいだと
思いません???
最後の女性友人C子さんの〆の言葉を聞いて、ぼくは
「名ラッパーよろしく
絶妙な韻を踏んだ
(※↑駄洒落?)
なんて素晴らしい
名言なんだろう!」
…と、猛烈に感動しました。
たしかに、こうも厄介な魚をわざわざ…たとえば、山奥の秘境的な温泉宿まで足を運び、決して安くない値段を払ってまで食わなくてもいいではないか…と。
都心のお店で河豚(ふぐ)とか鰹(かつお)とか鰯
(いわし)とか…まさに天然モノなり養殖なりのマグロや
ブリを食ってりゃ、それでいいじゃないですか!?
もはやアラカンに差し掛かったぼくは…生殖機能は
衰え、頭の毛ははらはらと抜け落ち、口腔内にこびりつくねばねばしたミルクコーヒーをキレイに洗い流してくれる唾液も充分な量を分泌せず、油断すればすぐ加齢臭も発してしまうような(気がする)状態だったりします。
そんなGジィさんだから…
「恋はいつも
命がけ!!!」
…なのです。女性と会うたび、
「コレがもしかしたら…
人生最後の恋に
なってしまう
のではないか!?」
…と、心の底から切実に恐怖しながら、
「尋常じゃない危機感」
…をもって日々を生き抜いているのです。
そんなGジィさんだから…相手に気に入ってもらえるなら
リアップも買うし土下座もするし…、
本来は嫌いなゴルフだってはじめることも厭いません!
“ハプバー”に行っても、
「つじつまの合わない出まかせ」
…だって、つい口から漏れてしまうかもしれません。
「ぼくの年齢?
見た目は
老けてるっぽいけど
まだ40代中盤
くらいですよ〜!」
「前の万博は
ちょうど小学生のころ
…だったかな?」
…ってなカンジで?
本当に泥臭い! しかも面倒くさい!!
まるで鯉!!! でもやはり
「そこがたまらない!」
…と、ぼくは思っています。とどのつまりが、
「それでも~ 鯉は恋~♪」
(by松山千春)
…なのであります。ぼくは一体、なにをさっきから
必死のパッチで語っているのでしょう(笑)???
鯉:コイ目・コイ科。流れが緩やかな川や池などに生息する淡水魚。雑食性で、水草、貝類、ミミズ、昆虫類、甲殻類、他の魚の卵や小魚など、口に入るものなら、たいてい何でも食べるほどの悪食な魚であるらしい。
鯉の洗い:氷で〆て、こりっとした食感と特有のタンパクな味を、ピリッとした酢みそで食べる。
鯉こく:輪切りにした鯉をみそ汁で煮た料理。