Vol.609 【年始一発目のとっておき話】殺傷沙汰 - ハプニングバーagreeable アグリーアブル

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ColumnGジィさんの独り言
 

Vol.609 【年始一発目のとっておき話】殺傷沙汰

『アグリーアブル』ファンの皆さま…

 

あけまして

おめでとう

ございます!

 

旧年中はGジィさんの乱文乱筆なコラムに

お付き合いいただきまして、

本当にありがとうございました!!

今年もその乱れっぷりにいっそうのターボをかけて

脇目も振らず邁進していく所存でございますので、

またお付き合いのほど、

何卒よろしくお願いいたします!!!

 

…ってなわけで、本日は新年イッパツめに相応しい、

とっておきのネタをお届けしちゃいましょう!

 

さて!!!!!

いきなりですが…アナタは刃物による

 

「殺傷沙汰」

 

に出くわしたことがありますか? ぼくは

 

「未遂」

 

なら一度だけあります。

 

あれは梅雨の蒸し暑いころ…でした。

とある女性の家で、ぼくは彼女がつくってくれた

スパゲティー・ナポリタン

パンツ一丁で食っていた。

 

そのパンツは、たしか真っ赤で、股間の中心部

 

 

…のマークがプリントされた

ビキニタイプのものでした。

 

その彼女には、しつこく付き纏っている男がいて、

その彼はぼくの友人…とまではいかない

知人カメラマンでありました。

 

以前、そのカメラマンに

 

「オレのカノジョっす!」

 

…と紹介されてから、

何度か3人で食事をしたりしたのですが、

彼のストーカーまがいの行為に

困り果てた彼女がぼくにそっと相談を持ちかけ、

相談に乗っているうちに

 

「ねんごろ」

 

…になってしまった…といういきさつであります。

 

この日もわざわざ彼女の家まで行って

相談に乗っていたら…急にムラムラしてきて

我慢できなくなって、

事が済んだらお腹がへってしまい、

 

「スパゲティーならつくれるよ」

 

…ってことで、パンツ一丁

 

「スパゲティー・ナポリタン」

 

…を食っていたのです。

 

で、食っていたら、玄関のドアを

 

「ドンドン!」

 

と鳴らす音が!?

 

古いアパートだったので、

とくにぼくは警戒心も抱きませんでした…。

彼女は下着姿グレーのフリーツを羽織って、

ジッパーを胸の谷間あたりまで上げながら、

ドアを数センチ引き、

 

「ハイ…」

 

と、そのすき間から外を覗く──

ベッドのわきに置いてある目覚まし時計を見ると、

午後の10時を過ぎていた。

 

最近の宅配業者

こんな時間でも

動いているんだなぁ

 

「ブラック企業だなぁ

 

「ドローン配達って

実用化はまだ

厳しいのかなぁ

 

…みたいなことをぼんやり考えていたら、ドアが

 

「バーン!」

 

乱暴に開き、その先に一人の男が立っていた。

 

ぼくの知人であり、

彼女にストーカーまがいに

付き纏っているカメラマンでした。

 

「よりによって

こんな男

くわえ込み

やがってよー!」

 

そんな台詞を吐き捨てながら、

そのカメラマンは土足で部屋に上がり込む…。

 

「こんな男」

 

…は、あまりの唐突な展開

スパゲティーを

口の中に吸い入れることさえ忘れている。

 

「こんな男」

 

…とは、もちろんGジィさんのことであります。

 

それにしても

 

「くわえ込む」

 

とはなんとも味わい深い言葉ではないか…

と、感慨に耽るほどの冷静さ

まだ残ってはおりました。

 

「靴くらい脱げよ!」

 

と、彼女は勇ましい。

 

「あ、ゴメン…」

 

そのカメラマンは、いったんに戻り、

三和土に脱いだ靴を律儀に並べ、また部屋に上がる。

そして、 

 

まったくよー!

馬鹿なんじゃねえの?

 

と、誰に向かってでもなく

独り言のようにつぶやきながら、

部屋の奥にあるキッチンのほうへと、
ゆっくり向かっていきます。

 

まるでどこかのライブ会場

 

「東京03コント」

 

…でも鑑賞しているかのようでした。

 

「金縛り状態

 

…となっているぼくは、そのカメラマンの

 

「一挙手一投足」

 

…から目が離せない…。

 

まったくよー!

馬鹿なんじゃねえの?

 

そのカメラマンは、さっきから

何度も繰り返しているつぶやきを、

今度はため息混じりに吐き出しながら、

まな板の上に放置してあった包丁を静かに握り、

おもむろに身体を反転させる…。

 

しっくりと腰を落としてかまえる包丁の先は、

ぼくと彼女のちょうど中間あたりを向いており、

その方角を支点に、彼の視線が

 

「左、右、左、右…」

 

…と揺れている。

 

パンツ一丁で呆然と立ち尽くす

ぼくの方向で彼の視線が止まる──

と同時にそのカメラマンは、

フローリングの床を蹴り、

猛然と向かってくる。

 

「こっちかよ!」

 

思わずこう突っ込みたいぼくでしたが、

口にスパゲティーをぶら下げたままだったので…

声には出せません。ただただ、

 

「フォーク片手に、もう一方の手に

スパゲティー・イタリアンの盛られた皿を抱え、
口からスパゲティーをぷらんぷらんさせながら、

パンツ一丁狭い室内を走り回っているぼく」

 

──そんな自身のさまが頭に浮かび、

うすら笑いが止まらない。

 

非現実的な状況下に

テンションがピークに達したマインドが、

ぼくの間抜けだけど

どこかのどかな姿に

逃げ道を見いだしていたのでしょう?

 

「笑ってる場合

じゃねーだろ!」

 

…と、自身に言い聞かせれば言い聞かせるほど、

腹から爆発的な笑いが込み上げてきます。

 

「ちょっと待てよ!

刺すなら

アタシだろうが!?」

 

彼女が男ふたりの間に両手を広げて割って入る──

 

頼もしすぎ

 

時間が止まったかのような静寂
しばしワンルームの室内を支配したのち

数秒後…を落とし、そのカメラマンは

子どもみたいにわんわんと泣きじゃくる。

 

「オレは一体

どっちを刺せば

いいんだよ〜!!」

 

それはじつに本質的な問題だと思いました。

 

「アナタなら

どっちを刺す?」

 

ぼくなら…やっぱり……ですかね???

でも、実際そういうシチュエーション

追い込まれないかぎり、

そう断定できる自信はありません。

 

【後日談】「とりあえず二人でゆっくり話したら?」とスパゲティ・ナポリタンをたいらげてからズボンとTシャツを着て部屋から出ていったぼくに、翌日彼女から電話が。「昨日のことはアタシに免じて警察には通報しないでくれる?」とのこと。「とてもイイ子だなぁ」と、ちょっぴり感動してしまいました。あと、「うん! わかってるよ」と快諾したぼくも、なかなかのお人好しですな。