Vol.632 ハプバーにスーツはアリかナシか?(後編)
ぼくの友人である脳外科医の先生は、現在の
「日本の男性スーツ事情」
…をこう分析します。
人間が「一日で行う判断の回数」は、
本当に途轍もない数字で、制服と同様、
「スーツは
判断する材料を
減らす役割」
…を果たします。すなわち、着る側からすれば
「仕事に集中する」という意味で、
じつに理にかなっているわけです。
いっぽう、その役割は「スーツ姿を見る側」
である女性にも作用し、
「スーツ=
ちゃんとしている
真面目な男性」
…といった判断を下しやすくなります。
とくに日本人は「お父さんが着ていた」とか「フォーマルなパーティはスーツ姿で」…など経験則から、そう脳内に刷り込まれていますし、しかもスーツは、現代人の脳では一種の
「経済力の指標」
…みたいなものになっているため、
「スーツ=お金持ち」
…という印象を他人に植えつけやすくもあるんです。
Gジィさんさんのように得体の知れないファッションの人を
「真面目」だと判断するには、かなりのコミュニケーション量を要しますからね(笑)。
だから、スーツ姿は女性人気が高い──
「人間が
五感で得る情報は
視覚が50%」
…と、一番多いので、とくに効果は抜群なのです。
なるほど…かいつまんだ結論を申せば、
“ハプバー”でのスーツ着用は
「100%女子に
好かれるとは
かぎらないけど、
嫌われることは
まずない!」
…ってこと…ですかね? すなわち
「最大公約数」
…的に無難とされる
「現代男性の武装」なわけであります。
では、スーツでちょっとでも
「自分の個性」
…を表現するには、どうすればいいのか?
ぼくの知人である
男性専門のスタイリストさんに
話を聞いてみると…???
なるべく自分の身体にフィットしたスーツを選ぶこと。
適度な筋肉をつくって、自分のシルエットをきちんと出すことをおすすめします。
お腹がメタボ気味でも、それがアナタの個性です。私の知人である某アパレル関係者は「スーツ姿を男らしく見せるコツは、お腹を割るより背中をつくること」と言っていましたが、たしかにそれは名言だと思います。ですから、腹筋運動に精を
出す前に、まずは懸垂をはじめてみればいかがでしょう?
さらに、前出の脳外科医の先生はこうも付け加えます。
仮に給料が少なくて安いスーツしか買えないとしても
「時計だけは
それなりの
高級品を着けるべき」
…と、とある有名なホテル評論家さんがおっしゃっていました。
一流のホテルマンはお客さまの時計で、
言葉は悪いけど「品定め」をするのだそう。こういった
「一点豪華主義」
…も、外見で女性に好印象を与えるためのポイントになります。
たとえば、10万円でお洒落をするなら、アウター・パンツ・靴を「4万円・3万円・3万円」に分けるのではなく、
「一つのアイテムに
10万円全部を突っ込む」
…ほうがベター!
一つの高価なアイテムが目に着くと、それに他のアイテムも引かれていく習性が人間にはあるからです。これを
「アンカー効果」
…と呼びます。「錨(いかり)を打つ」という意味の「アンカー」で、
「あらかじめ1000円と
バラしてしまった物は
1000円にしか見えない」
…という心理現象のことです。人があからさまなブランド
ネーム、もしくはロゴが入っている洋服やバッグを好むのは、そのせいかもしれません。僕は絶対に嫌ですけどね(笑)。
うんうん! お二人ともなかなかに
イイことをおっしゃっている!!
では、最後に!
Gジィさんがもう一つだけアドバイスを
「“ハプバー”にスーツで
来るのはOKだけど、
入店後もネクタイを
ガチガチにしめたまんま
なのはやめましょう!」
そのスキが無さすぎなピッシリ感が、
「ああ…このヒトは
これ以上、自分をさらけ出す
気がないんだ…」
…というディフェンシブな印象を
女性に与えかねないからです。
「さあ、こっからは
裸同士のお付き合いも
全然アリですよ!」
…といった意思表示──
サインを送るためにも、
“ハプバー”のカウンター席では
女性と会話しはじめると同時に、まずは
「ネクタイを
ユルめてみる」
…のはいかがでしょう???